子育て情報『ADHDとASDはどう違う?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】』

2023年12月29日 14:15

ADHDとASDはどう違う?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】


Q:ADHDとASDの違いが知りたいです。同じような特性でも診断名が違うことなどあるのでしょうか

A:ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いといわれています。併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することが必要です。

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ASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。幼少期に気づかれることが多いといわれていますが、症状の表れ方には個人差があるため就学期以降や成人期になってから社会生活において困難さを感じ、診断を受ける場合もあります。

ADHD(注意欠如・多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。特性の表れ方によって多動・衝動性の傾向が強いタイプ、不注意の傾向が強いタイプ、多動・衝動性と不注意が混在しているタイプなど主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現します。
特性の多くは幼い子どもに見られる特徴と重なり、それらと区別することが難しいため、幼児期にADHD(注意欠如・多動症)であると診断することは難しく、就学期以降に診断されることが多いといわれています。また、個人差はありますが、年齢と共に多動性が弱まるなど、特性の表れ方が成長に伴って変化することもあります。

ASD(自閉スペクトラム症)のある子どもたちに対してADHD(注意欠如・多動症)やDCD(発達性協調運動症)や知的障害(知的発達症)が併存することが多いといわれています。特にADHD(注意欠如・多動症)の併存率が高いとされています。

DSM-ⅣまではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の診断があると、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を優先するとされていましたが、DSM-5以降からASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)のどちらもあるという診断が可能になっています。最近ではASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)の重複が多いとされているので、併存としての特性があるかもしれないと考えて配慮することは必要だと思います。

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