知的障害がある子どもの卒業後は?将来を見据えた「生涯学習」【専門家QA】
将来、就労以外にも自分の余暇の時間を楽しんでほしいと思っています。障害がある子どもの将来の生活の質をあげるために、いまからできることはあるのでしょうか?
A:お稽古事の類も一つではありますが、地域の中で障害のある子どもを対象とした活動は存在しているかを探ってみましょう。
図書館の利用、公共交通機関の利用や交通系ICの使用(チャージ含む)なども、生活の質を考えると必要なことになるでしょう。
スーパーやコンビニでの買い物経験、カフェやファミリーレストランの利用などの中での何気ない経験の積み重ねが将来の生活を切り拓く力にもなるはずです。
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「生涯学習」は学校教育も含めたものですが、学齢期からの取り組みも必要です。例えば、大人になってからの休みの日をどのようにして過ごすかを考えた場合、子どもの時からの経験の積み上げが生かされていくだろうと思われます。
お稽古事の類も一つではありますが、地域の中で障害のある子どもを対象とした活動は存在しているかを探ってみましょう。私が住む鳥取市では、障害のある子どもを大人になっても継続して受け入れている、音楽、体操、ダンス、スポーツなどの活動があります。
民間の取り組みにはなりますが、一人の子どもが複数掛け持ちしていたり、親子で一緒に参加していることもしばしばです。子どもにだけやらせるのではなく、親も一緒になって楽しめる活動という選択肢もあってよいだろうと思います。
また、図書館の利用を例にすると、学校図書館や地域の公共図書館の利用を重ねておけば、休みの日の居場所の一つとして使うことができます。そして、公共交通機関の利用や交通系ICの使用(チャージ含む)なども、生活の質を考えると必要なことになるでしょう。学校や放課後等デイサービスで誰かによる送迎が当たり前になっていると、帰り道に道草を食うような経験自体が奪われています。一人で、または友だちと出かけることができるためには、楽しい活動の存在とともに、それへのアクセスに必要な経験や力も不可欠です。スーパーやコンビニでの買い物経験は、学校でも取り組んでいたりしますが、カフェやファミリーレストランの利用などもあってよいでしょう。休みの日に親子で一緒に楽しむ活動を終えて、ほっと一息するためにファミリーレストランに寄った際、タッチパネルで注文したり、ドリンクバーを自ら操作させたりなど、何気ない経験の積み重ねが将来の生活を切り拓く力にもなるはずです。