母子手帳の質問はすべて「問題なし」なのに育てにくいのはなぜ?2歳で自閉症と診断された娘、0歳の頃の様子
その頃は検索魔になり、「いつ楽になるか」「いつ眠れるようになるか」「赤ちゃん 眠れる方法」というようなことばかり調べていました。
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さいごに
実はマユユの産後すぐに夫の転勤が決まり、赤ちゃんを連れて見知らぬ土地に引っ越しました。子育て支援センターや保健センターに窓口があるのは分かっていましたが、知らない土地で知らない人にボロボロの姿で相談に行くことは、寝不足の当時の私にはさらに億劫に思えました。
だけど、いろいろな人に赤ちゃんの様子を見せられていたら、なにか助言をもらえていたかもしれない。気が楽になったかもしれない。きっと相談窓口の方は、親(私)の外見なんか気にしなかっただろうし、もう少し何かに頼ればよかったなあと思います。
マユユも今では夜はしっかり眠り、偏食はありますが食べられるものも増えました。親の私もまたマユユの特性を知り、対応を学んできました。
私たちはこれからも一緒に成長するのだと思っています。
執筆/サチコ
(監修:森先生より)
慣れない場所での育児、とっても頑張られましたね。サチコさんのように、大変な思いをしながらも自分を奮い立たせて頑張ってしまう方は、助けを求めることが難しい場合があります。
「もっと誰かに頼りましょう」と簡単に言っても、「頼るだけの気力がない」というケースも非常に多いのです。助けを求めても「甘えているんじゃないの?」と言われるのではないかと不安になってしまったり、相手に迷惑をかけるのではないかと考えすぎてしまったり、完璧主義だったりと原因はさまざまですが、ひとつに「アタッチメント」の形成がうまくいっていないというケースもあります。「アタッチメント」とは、困った時にほかの人にくっついて安心感を得たいと思う欲求のことです。怖い時にお母さんにしがみつく子どもの気持ち、と考えると分かりやすいですね。不安な時に助けを求める→安心するという経験を積むと、「アタッチメント」は形成されていきます。
逆に、頼っても怒られたり無視されたりしてうまく行かなかった経験を積み重ねると、人に頼るのを躊躇するようになってしまう可能性があります。経験の積み重ねは、小さい子どもだけでなく大人にとっても重要なのです。
「アタッチメント」がうまく形成されていないと、人を頼るのに精神的なエネルギーを多く使うようになる可能性があります。