WISC(ウィスク)検査とは?IVとVの違い、結果の見方も【専門家監修】
が高い場合
一時的に情報を記憶する力が強く、複数の情報を処理することができる
・ワーキングメモリ指標(WMI)が低い場合
指示を覚えていられず、注意がそれやすい
・処理速度指標(PSI)が高い場合
タスクを効率的に素早く判断し、処理することができる
・処理速度指標(PSI)が低い場合
読み書きや会話の反応などが遅くなることも。テストなどに時間がかかる
・流動性推理指標(FRI)が高い場合
論理的に物事を捉えることが得意
・流動性推理指標(FRI)が低い場合
問題解決や新しい環境で見通しを立てることが苦手
・視空間指標(VSI)が高い場合
視覚的思考や図、地図などを理解するのが得意
・視空間指標(VSI)が低い場合
グラフの読み取りや図形問題などが苦手
WISC検査で算出された各指標の数値の差が大きければ大きいほど、そのギャップから子どもの生活や学習上の困りごとも大きくなる可能性もあります。WISCによる数値だけで子どものすべてを把握できるわけではありませんが、得意不得意を知ることは困りごとの把握や対策を考える上でも活用できます。また、WISCの結果を子どもが通っている学校や支援機関とも共有することで、学校生活や支援で困りごとを減らしていくことにもつながります。
検査結果に一喜一憂するのではなく、子どものためにも上手に活用していくようにしましょう。
https://doi.org/10.60260/jasdd.43.1_26
参考:大六一志著「知能検査の “ 正しい ” 理解─課題の自覚と効果的な努力を導くために─」発達障害研究第43巻(2021 年)第1号P.26~32
https://doi.org/10.5926/jjep.69.254
参考:岡田 智, 飯利 知恵子, 安住 ゆう子, 大谷 和大著「自閉症スペクトラム障害における日本版WISC-IVの認知プロフィール―Cattell-Horn-Carroll 理論によるサブタイプの検討―」教育心理学研究第69巻(2021 年)第3号P.254~267
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」