眠らない、声掛けを無視…「周りの子との違い」に気づき始めた自閉症娘1歳の頃
自ら動けるようになったことで、自由にできない時には癇癪を起こすようにもなり、私は周囲に謝罪するばかり。
明日はどこへ行こう。
そう考える時の気持ちは暗いものになって行きました。
Upload By サチコ
やはり障害とは思い至らなかったものの
そもそもの知識のなさからまだ障害とは思い至らなかったものの、「この子は個性的ではあるな……」「周りの子の様子と違うかも」とはっきり感じるようにはなっていました。
当時、ほかの親子がいる場面などで私は、周りに「ちょっと活発な子で」とか「わが道をゆくタイプで」みたいに半分冗談のように予防線のように話していました。
そして大人しくママのそばにいる子や、ニコニコとコミュニケーションを取れる子をみて抱えきれない暗い気持ちになったり、それを自分のなかで見なかったことにしていたのを覚えています。
いま振り返ると、結果的にはどの悩みも「辛抱強く過ごしていたらいつの間にか薄らいでいた」という感じでした。もちろん子どもへの対応方法を考えることも大事ですが、私自身の心のケアをもっと考えたら良かったなと思いました。
今もたくさんつらい気持ちになりますが、主に子どもをみている私(母親)のメンタルがとても重要に感じています。
執筆/サチコ
(監修:森先生より)
いろいろな問題は、時間が解決してくれるという部分は確かにありますね。でも、それだけではなく、サチコさんの頑張りの積み重ねも大きいのではないでしょうか。大変な中、少しでもお子さんに良いと思われることを頑張ってこられましたね。
さて、わが子をほかの子と比べてしまって、自分の育児に自信をなくして落ち込む、というご相談は実はとても多いのです。発達障害のあるなしにかかわらず、周りの子は「できる」ように見えてしまうものです。「発達障害であると診断されたら周りと比較しなくなった」という方もいらっしゃいますが、「同じく発達障害のある子と比較してしまう」という方もいらっしゃいます。
結局のところ、発達の度合いだけでなく、性格や興味の向く方向、集中力、体調などなど、その子によってそれぞれなので、その子にとって良いと思うことを試していくしかありません。
「お母さん」にいろいろな人がいるのと同じように、「お子さん」も本当にそれぞれなのです。「発達障害」というくくりも、お子さんを理解するため、周囲からのサポートを受けやすくするためのツールの一つと考えましょう。