機能的アセスメントとは?家庭でもできる?機能に着目した分析やサポートのヒントを紹介します【LITALICO発達特性検査】
背景にあることが多い、主に4つの「機能」(=原因)をご紹介します。ここでいう機能とは、行動がどのようなニーズを満たすためのものかを示しています。
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おもちゃが欲しい、ボールを蹴りたいなど、本人の要求が困った行動の原因になっていることがあります。例えば、スーパーのお菓子売り場で癇癪を起してお菓子を買ってもらえた(=要求が実現した)場合、今後もその癇癪の行動が増える可能性が高いのです。
モノや活動の要求が行動の原因の場合、適切な要求の方法を教えることや、交渉することを教えていきます。
本人にとって、好ましくない状況を回避できたとき、不適切な方法でも逃避できたという経験が課題となる行動の原因となります。例えば、友達に手を握られていて、手を握られるのが不快で、友達の手をかむと友達が離れた。このとき、「かむ」という行動で不快を回避できたため、嫌なことから避けるために同じ行動を繰り返すことにつながります。
この場合その行動は「回避」の機能を持つと考えられます。
逃避(回避)の機能の場合は、課題や活動をお子さまに合わせたものにする、その行動が生じにくいよう環境の変更をする、「やめて」「休憩したい」「教えて」など、その行動の代わりとなる適切なコミュニケーションの方法を教えるなどをしていきます。
相手や周囲、家族や保育士の先生などの注目が欲しいという欲求が課題となる行動の原因になっている場合があります。たとえば、食器を叩いて大きな音を出した結果として先生の注目が得られた場合、先生からの「注目」が、行動を繰り返す要因となることがあります。
このような場合、本人のコミュニケーションを取りたいという気持ちを満たす方法を検討してみましょう。
「大きな音を出さないで!」と注意をするよりも、食器の音に大きく反応しないで、適応的な行動をしているときに本人に話しかけたり関わったりする、本人に注目してほしい時の言い方を教えるなどが効果的な場合があります。
課題となる行動が生み出す刺激自体が、本人にとっての心地よさを生み出して、その行動を繰り返す状況に陥っている場合があります。手をひらひらさせたり、ぐるぐるまわる、つばを出したり入れたりするなどは、退屈や不安がまぎれるという感覚刺激自体が行動を繰り返させる原因になっている場合があります。