機能的アセスメントとは?家庭でもできる?機能に着目した分析やサポートのヒントを紹介します【LITALICO発達特性検査】
感覚刺激が行動の背景にある場合は、代わりになる適切な余暇スキルを教えることが有効です。例えば、手をひらひらさせるなどの行動と同じような感覚が得られる遊びとして、玉を落とすおもちゃ(視覚刺激)や振って音が出るマラカスなどの楽器(聴覚刺激)でより発展的な活動に置き換えていくことが考えられます。
また、感覚刺激を得る行動が自然になる環境をつくるなどの環境調整も有効です。例えば、紙を破き続けたいお子さまの場合、工作の時間にちぎり絵など、紙をビリビリやぶくような内容を加えて、それが活動内で自然な行動になるようにするといいでしょう。
機能的アセスメントの考え方を活用してみましょう
ある特性によって、他者の関わりや周囲の環境が刺激となり、特定の行動が引き起こされやすくなっている場合があります。ひんぱんに起きる行動がある場合、機能的アセスメントを行うことで、行動そのものの理解と、お子さまの特性を掛け合わせるような形で捉えると、お子さま理解が深まりやすいでしょう。
行動にはいくつかの機能があることを知ることができると、なぜ何度も同じ行動をするのか、叱っても繰り返すのはなぜか、などが見えやすくなってきます。適応的な行動を促すために、お子さまと保護者さまの両方にとって、叱るよりも心理的に負担の小さい方法が取れるかもしれません。
検査結果に加えて、行動の機能を知ることはアプローチを変えることにつながるでしょう。
例えば、以下のようなアプローチの方法があります。
・環境調整
困った状況が起きにくいように、環境を変えることができないか工夫してみましょう。環境調整については以下の記事もあわせてお読みください。
・別の行動に置き換える
お子さまがその行動で満たしたい機能を、ほかの適応的な行動に置き換えられないか検討してみましょう。この場合、置き換えることが本人にとっても望ましく嬉しいものにすることがポイントです。
まとめ
機能的アセスメントは、お子さまの行動の背景にある「行動の機能」を理解し、その行動がどのような要因によって引き起こされているかを分析する手法です。
機能的アセスメントの考え方を理解することで、お子さまの行動理解が深まり、適切な支援や環境調整のヒントが得られます。
慣れないうちはなかなかうまく分析できないという場合もあるかもしれません。そのような場合は、一つの具体的な行動や場面にしぼって観察するのがポイントです。