小学生の忘れものどうしたらいい?教科書、宿題、プール道具…効果的なサポート方法は?【公認心理師・井上雅彦先生にきく】
実は難しい、毎日の学校の準備
学校への持ち物は、毎日の教科書やノートだけでなく、給食用マスクや宿題プリント、保護者から先生に渡す書類、時には水泳道具、習字道具など、その日によってさまざまです。
これらを子どもが自分で把握し毎日忘れずに準備していくことは、決して簡単なことではありません。持ち物管理が苦手で、学校の準備に時間がかかることや、そもそも準備の仕方自体が分からない場合もあるでしょう。
今回はそのような持ち物管理や忘れもののお悩みについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。
学校への持ち物を忘れてしまう……物の管理はどうサポートすればいい?
A:よくあるのは、登校時間ぎりぎりになってお子さんが「〇〇がない」と気付いて慌ててしまうパターンかと思います。探し回っていると遅刻しそうになって、お子さん本人も保護者もイライラしてしまう、なんてこともあるかもしれませんね。朝一番に叱られてから登校というのは、なるべく避けたいところですよね。
忘れものを防ぐためには、やはり学校の準備を前倒して行うことがポイントです。
理想は、前日の寝る前に次の日の持ち物を揃えて点検することです。これを習慣化させていくためには、初めは保護者が少し丁寧に関わっていくことが必要でしょう。まだ習慣化できていない段階では、お子さんに「やっておいてね」と声かけをするだけでは難しいものです。
習慣化するまでは、保護者が一緒に取り組みながら「準備できたね」という体験を重ねていくことが大切です。そのために「準備の時間」を親子で確保することも大事だと思います。あらかじめ時間を決めるなどして準備の時間を確保しておかないと、どうしても忙しい毎日の中で行動を起こすことは難しいのではないでしょうか。
毎日の夕方や夜に「準備の時間」を決めておくとよいと思います。持ち物管理や準備が苦手という場合には、この時間を少し長めに確保しておくとよいでしょう。
視覚支援として、持ち物チェック表を作って貼りだすなどもよいと思いますが、それだけではなくて、やはり初めは「一緒にチェックする」ということも必要だと思います。
また、持ち物がどこにあるか分からない、探すことに時間がかかる場合もあるかもしれません。そういう場合は、大まかに「毎日持っていくもの」「曜日によって持っていくもの」「基本は持っていかないもの」