自閉症息子の激しいチックや常同行動の原因は?「今日もいつも通り」に隠れていたストレス。母が知った事実は…
という話はあの手この手で伝えてきました。その甲斐あってか、癇癪を起こしている時にはその子に近寄らず過ごせているようでした。
「何もなかった」……?
それからしばらく経った頃、放課後等デイサービスから帰って来たスバルは頬に保冷剤を当てていました。癇癪中のその子に叩かれたとのことでした。それからたびたび、叩かれた、引っかかれた、蹴られたと言って帰ってくることが増えました。
送迎の先生からは「念のため保冷剤を……」と説明されました。スバル本人も「叩かれたけど大したことない」と言うようになりました。
母が知った事実は…の画像">
Upload By 星あかり
先生も深刻そうではなかったし、過去の出来事からスバルは「叩く」の種類や悪意の有無があまり分かっていないようなので、手や足が当たってしまった事を大げさに「叩かれた」と伝えているのではないかと考えました。
しかしそれにしても回数が多いので放課後等デイサービスの先生には「癇癪を起こしている子にスバルが近寄りそうな時は止めて欲しい」とお願いしました。先生は今まで以上に注意深く見守ると言ってくれました。
その後は先生からもスバルからも「今日は何もなかった」と報告される日々が続きました。ほっと一安心……とはいかず、「何もなかった」はずの放課後等デイサービスがあった日だけ、激しめの常同行動やチックが出るようになりました。先生に質問や相談をしたいけど「何もなかった」と説明されている以上、「本当は何かあるんでしょう?」と詰め寄ることもできず、ほかの誰に相談したら良いのかも分からずモヤモヤした日々を過ごしていました。
現場を目撃
そんなある日、用事の帰りに偶然放課後等デイサービスの近くを通りかかったので、そのまま迎えに行って一緒に帰ることにしました。最近の様子から、放課後等デイサービスでどんな風に過ごしているのか見たいという気持ちもありました。
玄関の前に立つと、玄関の隣の窓から悲鳴のような声が聞こえました。慌てて窓から中を覗くと、そこには箒を振り回すその子と、止めようとする先生、泣いて逃げ惑う子たちでパニック状態でした。慌ててチャイムを押すと、スバルと先生が飛んできました。
そしてスバルは「今日もいつも通り、何もなかったよ」と言いました。
Upload By 星あかり
スバルは直接自分が叩かれることがなければ、ハードな現場に居合わせても「何もなかった」