自閉症息子の激しいチックや常同行動の原因は?「今日もいつも通り」に隠れていたストレス。母が知った事実は…
と表現することが分かりました。
もしくは先生が「何もなかった」と説明しているのを聞いて、スバルもこの出来事を「何もなかった」に分類したのかもしれません。
しかし本当はストレスを感じていてチックなど体調に表れたのだと思います。
スバルは「何もない」と言いますが、体調に表れるほどにストレスを感じていることに不安に感じ、この放課後等デイサービスは辞めることにしました。
知るべきは事実
私はこの一件を本当に反省し、学校や放課後等デイサービスから帰って来たスバルへの声掛けを「今日楽しかった?」「どうだった?」という曖昧な質問で終わらせないように心がけるようになりました。
スバルが拙い言い回しで伝えてくる今日の出来事の中のちょっとした不穏なワードを見逃さず、本人の「何もなかった」と言う感想を鵜呑みにしないように注意して聞くようにしました。そうは言っても尋問のようになると本人が話してくれなくなるので、あくまで楽しい会話のキャッチボールの中で自然に聞くような形です。
そして気になることがあれば「こんな些細なことで……」と躊躇せず早めに先生に相談するようになりました。
他人からの悪意や暴力に気づきにくいスバルのフィルターを経由し、ほのぼのとしたエピソードとして語られた出来事の中には重大な事件が隠されていたこともありましたし、幼稚園の頃より人間関係が複雑になっている分、注意深く見守らなければいけないと感じました。
現在は目立ったチックや常同行動もなく、学校も放課後等デイサービスも楽しく通っているように感じるのでスバルの成長とともに少しずつ見守り体制はゆるくなってきています。しかし心配性の母は、今日も不穏なワードに目の奥をギラつかせながら、にこやかに学校や放課後等デイサービスでの出来事を聞き出しているのでした。
執筆/星あかり
(監修:新美先生より)
見学に行って信頼できそうだと思ったスタッフがいるから選んだ放課後等デイサービスで、入ってみたら、そのスタッフたちがごっそりいなくなってしまったとは、想定外なことでしたね。
学校や放課後等デイサービスなどでの様子をお子さん本人に聞いても、さっぱり要領を得ないというのは、よくあることですね。そもそも、空気が読めなかったり状況把握が上手じゃなかったりして、何が起きているかを分かっていないということもあるかもしれないですし、伝えるべきことがどういうことか分からないとか、どのように伝えたらいいか分からないというようなコミュニケーションの難しさがあることもあります。