誰よりも集団行動ができない「悪夢の発表会」から1年。自閉症診断、療育通いを経て得たものは
幼稚園で初めての発表会。楽しみにしていた母を待ち受けていたのは…
運動会や発表会といった行事といえば、親にとってはわが子の頑張っている姿から成長を感じられ、一生の思い出となる輝かしいイベントたちですよね。分かる。でも発達に特性がある子どもたちにとっては普段と違う環境で、普段と違うことをしなければならない……場合によっては超絶苦手なイベントだったりします。
思い出される最古の行事は、あー年少の時の発表会。この時の私はまだ、無邪気に発表会を楽しみにしていました。みんなの前で歌い踊る、楽しい姿が見られるんだろうなあと。この後何が起こるかなんて知らずに……。
期待で胸を高鳴らせて待機列に並んでいると、担任の先生が駆け寄って来て私に告げました。「あーちゃんはすごく頑張っているし、楽しんでいるんです。もしかしたらほかの子とは違う動きがあるかもしれませんが、楽しんでいるので……!」……何それ? 途端に血の気が引きました。これは……ほかの子と同じようにはできないというフラグ……しかも、「どんな状態でもショック受けないでね」って予防線張りにきてるじゃん……!?
さっきまでとは異なる不穏な胸の鼓動と共に幕が上がりました。すると目の前には……一人だけ衣装を着ておらず、お面だけつけているあーがいました。そして、明らかにあーの出演シーンではない、ほかの子の踊りの時も、あーは(端っこではあるけれど)ずーっと舞台の上に出ずっぱり……。途中で飽きたのか、教室外に走ってゆき、廊下で先生に捕まえられ、ひたすらそこにある跳び箱から飛び降りる常同行動。「これをやっていると落ち着くみたいで」と言いながら見守る補助の先生の横で、私は足もとがガラガラと崩れていくような感覚に陥っていました。
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誰よりも集団行動ができていない息子の姿を目の当たりに。現実を受け止めきれず…
集団の中で浮きまくっているあーの行動を目の当たりにして、私は大きな衝撃を受けていました。
みんなと同じ行動ができない。同じことをして楽しめない。その前に先生の言うことが聞けない。これは「個性」という言葉で片づけていい問題なんだろうか。そもそも人間はみんな個性的であるはずなのに、あーほど何もできていない子、していない子はいない。
できなくて固まっている子、泣いている子はいるけれど、その子たちは「ここにいる」