高3自閉症息子、遠方受験に備えてお試し一人旅!本人は自信満々、親はハラハラ…2日目、GPSに異常が!?
志望校けってーい!でも母は不安…
小さい頃から「生きものハカセ」を目指していたタケル(ASD・現在24歳)、高校2年生の夏にはオープンキャンパスなどにも参加して、早々に志望校を絞り込んでいました。
タケルが選んだのは大阪にある小規模な大学で、希望する学科の合格予定者は6名です。
たった6人……!?上位6人に入らないといけないの!?
母は震えましたが、タケルは涼しい顔。
「生物で100点とればいいんだよ!」と言います。
そりゃそうだけどさあ……。
Upload By 寺島ヒロ
理学部全体では50人位採用しているらしいのですが、学部学科ごととなるとそれぐらいなんだそうです。ちなみに商学部は区分けがなく200人採用とのことでした。
「お試し一人旅」で慣れよう
受験でもう一つ私が不安だったのが、慣れない受験旅でタケルがパニックになって、テストがまともに受けられなかったらどうしようということでした。
そこで、「3年生のゴールデンウィークに一人旅をしたい!」とかねてより言っていたタケルに、大阪の受験校を下見に行ってもらうことにしました。
当時のタケルは一人で電車やバスに乗る練習はしていたものの、外泊や長距離移動は初めてでした。
不安で嫌がるかな?とは思いつつ、私が「旅行計画を自分で組んで、時間がかかってもいいから自力で回っておいで」と伝えると、タケルは「大阪、一人で行ってみたかったんだ」と喜び、あっさり出発してしまいました。ちなみに宿だけは駅近に私が手配しました。
好きな事には頑張れる!タケルが行きたかったところとは?
さて、タケルのスマートフォンにはGPSがついています。
心配で心配でたまらない夫は、ずっと片手にスマートフォンを持ってうろうろしていましたが、2日目になって「タケルのスマホが壊れている」と言いだしました。
夫曰く「大阪に到着した日は、学校まで行って、近くの公園で半日過ごしてからホテルに帰ったみたい。でも今日は気がついた時にはもうホテルにいなくて、天王寺近くの公園からずっとマーカーが動かない。
スマホがおかしくなったか落としたに違いない!」
「どれどれ」と夫のスマートフォンを見てみると、マーカーはかすかに動いているのでした。場所は……んん?オオカミ舎?
「これ、ホントにずっといるんじゃないの?動物園の中みたいだし」と、私が言うと、夫は「こんなに動かないわけはない!大体動物園に何時間もいられないでしょう?」