癇癪のお悩み、対応方法と減らしていくヒントは?作業療法士・野田遥さんが解説!
以下で詳しく見ていきましょう。
Upload By LITALICO発達特性検査 編集部
癇癪の要因となる興奮を抑えるために、刺激の少ない状態にするということがポイントです。
焚き火にガソリンを注ぐとどんどん燃え、周りに燃えるものがなくなってくるとだんだん火は鎮火してきます。癇癪も同じで、興奮の燃料となる刺激をなくしたり、減らすことが重要です。癇癪を起きにくくするだけでなく、癇癪が起きたときにも、再燃させる刺激がなければ、時間経過とともに癇癪や気持ちの興奮もだんだん落ち着いていきます。
そのため、癇癪が起きたときに刺激のないクールダウンルームやスペースを利用するということが有効な場合があります。専用の部屋や設備をしっかり作らなくても、工夫することでご自宅や園・学校などでもクールダウンのスペースを作ることができます。
例えば、教室の後ろに大きめの段ボールを置き、切り抜いて扉を作ることでクールダウンスペースにする方法があります。
ちょっと気持ちがしんどくなってきたときや、気持ちのコントロールが難しそうだな、というときにお子さまが自発的に中に入れるようにしておきます。そうすると、癇癪が起きたときにクールダウンを促したり、癇癪が起きそうなときにお子さまが自ら選択して刺激を避けることができます。
落ち着くことにつながる活動も有効です。
落ち着きやすい活動はさまざまな選択肢があります。お子さまに合ったリラックスできる方法がないか探してみてください。
・水を飲む
・仕切られた空間で横になる
・お気に入りのぬいぐるみを触るなど
ほかの活動をして気をまぎらわすというのも一つだと思います。単調なことをしたり、好きな活動をすると、落ち着いてくることがあります。
・緩衝材のプチプチを潰す
・好きな本や音楽を聴くなど
ここまで2つあげましたが、何より大事なのが安全確保です。
投げて怪我をしそうなものなど、周りに危険なものがないようにしておく、自動車などが通る場所であれば移動するといった対処や、壁に頭を打ちつけるなどの行動が見られるときには、お子さまが怪我をしないよう専門家に相談しながら対応を考えていく、調整していくということが必要になるかもしれません。また、本人だけでなく、保護者の方やきょうだいなど、周りの方の安全確保も大事です。年下のきょうだいがいる場合、怪我をしたり巻き込まれたりしないよう特に気をつけたいポイントです。