癇癪、手を繫げない、声掛けを無視…外出が難しかった自閉症娘の乳幼児期。5歳になった今は
当たり前になっていた“外出のための万全の荷物・人員の確保・心の準備”
わが家の長女マユユは2歳の時に発達障害の診断を受けています(ASD/自閉スペクトラム症・軽度知的障害/知的発達症)。5歳での療育手帳の更新では、中度判定となりました。
私はマユユが小さい頃「一緒に外出する難しさ」を感じていました。そのため、マユユとお出かけするときは、万全の荷物・人員の確保・心の準備が必要でした。でも、5歳になってしばらく経った頃から、それらの準備すべてが必須ではなくなってきたのを少しずつ感じていました。
ある日、マユユとのお出かけで一緒に一万歩、歩くことができました。うれしさはもちろんありましたが、改めて“どうしてこんなふうにお出かけできるようになったんだっけ……”と不思議な感覚になりました。今回の外出で困らなかったのは偶然ではないだろうか……という不安もよぎりました。
しかし、その後も何度か二人で出かけてみて、偶然ではなく成長の結果なのだと実感でき、また“難しい”とあまり感じなくなった理由も見えてきました。
外出の難しさを感じ始めた頃から今までを振り返ってみたいと思います。
わが道を行く?育てにくい?
外出のことで悩みはじめたのは、マユユが歩き出した1歳頃からでした。
マユユは睡眠の難しさも抱えていたので、夜眠れるように……と日中は毎日公園に連れ出していました。しかし、マユユは母である私を気にかけることなく、気になったものに一目散に走っていってしまうような様子でした。

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手を繋げない、引き止めると癇癪が起こる……逆に抱っこばかりで全く歩きたがらなくなった時期もあり、周囲に迷惑をかけないようにとお出かけのとき、私はいつも必死でした。
マユユを楽しませたいという気持ちと、またトラブルが起こるかもしれない……という不安の間で常に揺れていました。
2〜3歳頃もこだわりや癇癪が日常的に起きており大変でしたが、さらに体が大きくなってきた4歳頃になると、外で強い癇癪が起きたり大きな声が出てしまうと“とても目立っているのではないか”と緊張し、その度に私の頭の中は真っ白になりました。
“もう大きいのに……”と冷たい視線を向けられているような気がして勝手に追い詰められていました(実際にそう思われていたこともあったでしょう)。

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帰宅してドアを閉めたとたんに、いろんな感情が込み上げて玄関で泣いてしまうことが度々ありました。