何度注意しても減らない学校でのトラブル、子どものせいだと思ってた…
どうしてわかってくれないの…親を困らせる子どもの行動
私の息子には発達障害があります。
その特性から、学校に行くと周りの先生やお友達を困らせてしまうような行動ばかりしていました。友達のものを壊してしまったり、教室から飛び出してしまったり…
それは忘れ物やなくし物などは、まだ良い方だと思ってしまうほどの威力でした。
そんな息子が入学した当時の私は、問題を起こし続ける息子への対応に、身も心も疲れ果てる毎日。独りになるとその辛さから、どっと涙があふれてきました。
この子はどうして問題を起こすのだろう。
何度も言って聞かせているのに、どうしてわかってくれないのだろう。
いくら私が息子を叱っても、息子の行動は一向に良くなっていきませんでした。
子どもの行動が変わらないのはなぜ?
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いくら言い聞かせてもなかなか息子の行動が変わらないのはなぜだろう?
そう考えていたとき、
「問題は本人にあるのではなく、叱るだけの大人にあるのでは」ということに気づきました。
私は、いつも何か問題が起こると、息子のことを叱ってばかりで「言い聞かせる」ことで解決しようと考えていました。
ですが、それは間違いでした。
発達障害と診断されてから気づいた事ではありますが、注意するだけではなく、そもそも問題を起こさずに済むような工夫が必要だったのです。
それは大人からの関わり方や、授業の参加の仕方など、いわゆる「子どもの周辺環境を整える」という視点でした。
子どもが変わるために周りの大人ができること。
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一方的に叱るだけでは解決しない、と気づいてからは、
「なぜ問題を起こすの?」ではなく「どうすれば防げるだろう」と考えるようになりました。
子どもは、自分の過ごす環境が居心地が悪いと、その辛さを何かの行動で示してくると感じています。それは、泣きわめく場合もあれば、友達とのトラブル、学校の行き渋りで現れる場合もあります。
「困った子は、困っている子」というフレーズがあるように、子ども本人も何かに困っているのです。それを大人が一方的に叱ってしまうと、子どもの気持ちは置いてけぼりなまま根本的な解決はできません。
ですから、「問題」に直面したときは叱り言い聞かせるのではなく、そもそも問題を起こさずに済む工夫を考える必要があるのです。
問題を違う視点から見てみよう。子どもの行動に悩む人たちへ。
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息子は中学生になりました。
発達障害はそもそも外から見るとわかりにくく、理解されにくい障害です。しかし中学にもなると今までの療育や支援の効果もあり、ますます障害の存在が見えにくくなったように感じます。
障害の存在が見えにくくなることは、親としては喜ばしい限りです。本人が困ることが減り、周りにも迷惑をかけることが少なくなっているのですから。
一方で問題を起こさなくなり障害が見えにくくなった分、今でも本当は抱えている問題に対して、支援や配慮を受けにくくなったな、と感じます。
最近では、時折訪れる「学校を休みたい」という発言に、ほっとすることさえあるのです。
なぜなら休むことで、先生たちに「まだまだサポートが必要なんだな」と認識してもらえる機会になるからです。
問題が起こるたびに、どうにかしようと振り回されていた私ですが、今では問題は「子どもからのSOS」と考えられるようになりました。
子どもの問題にぶつかった時、少し視点を変えてみましょう。
「どうしたら?問題を防げるのだろう?」
子どものせいにする前に一度、周りの大人の行動を振り返ってみるのです。
そうするだけで見えてくるものがあるのではないでしょうか。