空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!
「空間認識能力」と聞いて、何を思い浮かべますか?近年はVRコンテンツの認知度が高まりつつあることも相まって、サイバーなイメージをお持ちかもしれませんね。
実は、子どもの才能を伸ばすにあたり、親としてぜひ知っておきたいキーワードが「空間認識能力」なのです。今回は、空間認識能力の役割とその大切さ、そして子どもが持つ空間認識能力の鍛え方をご紹介します。
空間認識能力とは
空間認識(空間認知)能力とは、読んで字のごとく、空間を正しく認識できる能力のこと。学術雑誌『研究報告数理モデル化と問題解決』(第33号、2012年)に掲載された論文「ARを用いた空間認識能力向上のための学習方法」によると、空間認識能力の定義は以下のとおり。
空間認識能力とは、3次元空間上において、物体の位置や形状・方向・大きさなどの状態や位置関係を素早く正確に認識する能力のことを指す。この能力によって普段生活する中で、目の前にないものでも頭の中で想像し、視覚的なイメージを形成することができる。
(太字は編集部が施した)
(引用元:情報学広場:情報処理学会電子図書館|ARを用いた空間認識能力向上のための学習方法)
日本でベストセラーになった、アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著、藤井留美訳『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社、2000年)を覚えていますか?この本のタイトルにも表れているように、女性は男性に比べて地図を正しく理解するのが苦手だといわれています。実際、フランス国立科学研究センターの研究員・Antoine Coutrot氏らが2018年に発表した研究によると、あらゆる国で250万人以上の空間認識能力を調査したところ、男性のほうが女性よりも空間認識能力において優れていたそうです。
空間認識能力が低いとどうなる?
空間認識能力が低いと、地図が読めないという以外に、どのようなデメリットがあるのでしょう?パーソナルジムトレーニングジム「レブルス」の代表を務め、『12歳までの最強トレーニング』( 実業之日本社、2018年)などの著書がある谷けいじ氏は、以下のように警鐘を鳴らしています。
子どものうちにこの力がきちんと養われないと、将来スポーツ全般の能力が伸びにくくなります。それだけでなく、たとえば道路を走っている車や自転車と自分の距離がつかめずに事故に遭いやすくなるなど、危険回避能力が育まれにくいという恐れがあります。
(太字は編集部が施した)