子育て情報『日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ』

2018年11月24日 08:16

日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ

これからの「もっと面白い時代」に生きる子どもたちを大切に育てる

この交流活動の相手国にオーストラリアを選んだことには、先生たちの長期休暇が重ならない南半球の国だからということの他にも理由があります。それは、オーストラリアが「STEM教育」に非常に力を入れている国だからです。

STEMは、「Science, Technology, Engineering and Mathematics」の略。つまり、STEM教育とは、「科学、技術、工学、数学の教育分野を総称するもの」です。もともとは、2000年代にアメリカではじまった教育モデルです。

これまでのオーストラリアはどういう国だったかというと、完全な資源立国でした。たとえば、石炭の輸出量は世界でも群を抜いています。そして、その主な輸出先の中国が不景気になると、オーストラリアの経済にも大きな悪影響を及ぼすとも言われるのです。
そういう意味では、経済基盤が不安定な国でもある。そこで、オーストラリアは国を挙げてSTEM教育に取り組み、資源立国から工業立国、あるいは科学立国、IT立国に変わろうとしているのです。

じつは、日本の夏休み中に日本の先生をオーストラリアにお連れするときは、オーストラリアの「ナショナル・サイエンス・ウィーク」というものにあたります。この1週間、オーストラリアでは国内各地で科学をもっと身近に感じられるような約1000ものイベントが開催されます。イベント会場ではなく、学校でも化学記号がデザインされたTシャツを先生たちが着ているなど、なかなか面白いんですよ。

日本人教員がビックリするのも納得。豪州が取り組むSTEAM(スチーム)教育の凄さ


日本では「理科離れ」が問題視されて久しいですよね。文科省による平成16年版「科学技術白書」で、一般市民の科学リテラシーが他の先進諸国と比較して極めて低いことも指摘されています。それには、理科・科学というものがどこかとっつきにくい、身近なものではないという思い込みも、要因のひとつとなっているのかもしれません。


理科・科学というものは、この世界のあらゆるものを研究対象とします。本来はもっと身近なものであるはずなのです。その感覚を子どもたちに持たせることが必要なのではないでしょうか。先に述べたオーストラリアのナショナル・サイエンス・ウィークにおこなわれるイベントのなかには、天文写真のコンテストや、ガラスアートと科学を関連づけたワークショップなど、アートの要素を取り入れ、科学をより身近に感じさせようという工夫が見られます。

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