「子ども俳人」急増中! 「俳句」を詠むと豊かな言語感覚と語彙力が身につく理由
“表現する”ことは子ども自身の心の拠り所になり得ますし、親がそれを見て、子どもが何を考え、どう感じているのかという心の機微に気づくことができるツールにもなるのです。
小学生が俳句を作るときの3ステップ
俳句といってもどう始めればいいのか、俳句を作る“コツ”もよくわかりませんよね。
子どもが作る俳句の魅力はのびのびと自由なところ。決まりごとがあるといってもあまり難しく考えず、子どもらしい感性で作っていいのです。
俳人の金子兜太氏は著書の中で「俳句は遊びの延長であってほしい」と話しています。
また最近は俳句を小学校の授業で取り入れている学校もあるようです。実際に小学生に俳句の指導をされた前田正秀先生の例がとてもわかりやすいのでご紹介します。
(1)七五調のリズムを味わう
「古事記」「日本書紀」の時代から続く日本古来の叙情形式である五七調と七五調は昔から日本人には心地よいリズムなのです。
まずそのリズム感に馴染むことが俳句への第一歩。そのためには俳句の音読が有効だそう。手拍子も合わせるなど楽しくリズムを取ってみましょう。
江戸時代の3大俳人である、松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶、明治時代の正岡子規の名句を鑑賞することは、俳句を始める際とても役に立つでしょう。ぜひお子さまと一緒に手拍子を取りながら音読してみてください。
(2)「自分だけの発見」を俳句に
最初は17音に言葉をはめることに集中しますが、慣れてくると内容にもこだわろうとするようになるのだそう。そんな時アドバイスするとしたら、「自分だけの発見」にこだわること。
見たものを写生するように言葉する、体験を具体的に、家族や友達を題材にするなど。
まずは興味を持った身近な題材から始めてみましょう。
(3)気持ちを書かずに気持ちを表す
題材が見つかったら、次は表現方法でのコツです。子どもは素直に嬉しかったこと、悲しかったことをそのまま言葉にするかもしれません。しかし俳句では直接表現よりも間接的な言葉でその感情を表して読者に想像してもらう方がいい句となります。
初げいこ心も竹刀もまっすぐに
(引用元:金子兜太監修(2014),『子どもと楽しむ俳句教室』p102, 誠文堂新光社.)
このように場面を詠むだけで清々しい心意気の心情が表せると素晴らしいですね。ポイントは、「気持ちを書かずに気持ちを表す」ですよ。
(4)