長距離移動中に子どもの聞き分けが悪くなるのには理由があった!【年齢別 伝わる言葉かけ】
と諦めるのではなく、お子さんに伝わりやすい言葉を選んで説明してみましょう。
具体的に伝える
「大人は指示をして子どもを動かそうとしがちですが、モチベーションがアップする言葉を具体的にかけられた子どもは、一瞬にして生き生きとした表情に変わります」と述べるのは、子育て学協会会長兼チャイルド・ファミリーコンサルタントとして活躍中の山本直美氏です。
山本氏は幼稚園教諭としての自身の経験から、「子どもたちは、具体的な言葉でイメージさせてあげないとほとんどのことが理解できない」といいます。「ちゃんと座って!」「じっとして!」と言い続けても、子どもは何度でも同じことを繰り返し、親も疲れ果ててしまいますよね。
そんなときは、具体的な説明や提案をしてみませんか?
たとえば、
「おうちから持ってきた本をお膝に乗せて一緒に見ない?」
「次の駅まで、面白い看板がいくつ見つかるか競争しよう」
何をすればいいか、具体的に理解できれば子どもは先の見通しが立ち、楽しんで行動を起こすことができます。
「ありがとう!」感謝の言葉が子どもを動かす
『伝え方が9割』(ダイヤモンド社)の著者・コピーライターの佐々木圭一氏は、「北風と太陽」こそが伝え方の極意であり、それは子どもにも充分通用すると述べています。
人は感謝をされると相手のお願いを拒否しにくいーー。この心理を利用して、子どもがムズムズし始めたらすかさず「静かにしてくれてありがとう!」「電車が来るまでじっと待っててくれてありがとう!」と、言ってみましょう。するとお子さんは、自分の行動がお母さん・お父さんに喜ばれていることを誇りに思うはずです。その結果、少しずつでも期待に沿うような行動を心がけるようになるでしょう。
また、子育てについて多数の著書があるカウンセラーの高橋愛子先生は、「しつけは叱らなくてもできる」と説きます。高橋先生がすすめるとっておきの方法は「過去形で褒める」こと。
たとえば「前に電車に乗ったときよりも静かにできるようになったね」と以前の子どもの様子と比べたり、「今、静かにしようとしていたんだよね」とこれからしようとする意欲を褒めたりすることで、子どもを“暗示”にかけるのです。
高橋先生は「子どもがこれからしようとする行為を親が言葉で表現してあげれば、できたときのイメージが明確になり、その通りに行動できるようになります」