作文の印象は “最後の一文” で決まる!――個性的な余韻を残す「締めくくり」のワザ
声がするほうにかおを向けると、ずっと遠くのほうで、お姉ちゃんが手をふっているのが見えました。
【14】「たとえ」で締める
大きなタワーが、まるでエンピツのように見えました。
それはまるで、でっかいたいようが、空いちめんに、オレンジ色の絵の具をまきちらしたかのようでした。
【15】「ことわざ」で締める
こういうのを「たなからぼたもち」というのでしょうか。
ああ、これが「月とスッポン」ってやつか。
【16】「『もしかしたら』や『ひょっとしたら』」で締める
もしかしたら、正しいのは、ぼくではなく、弟のほうだったのかもしれない。
ひょっとしたら、しょうらい、彼は、そうりだいじんになっているかもしれないぞ。
【17】「なぜなら」で締める
なぜなら、私は学級いいんちょうだからです。
なぜなら、しょうらいぼくは、うちゅうひこうしになるからです。
【18】「けっきょく」で締める
けっきょく、ぼくらの作った作品は、選ばれませんでした。
けっきょく、わたしの願いはかないませんでした。
【19】「つまり」で締める
つまり、ぼくらは負けたのだ。
つまり、わたしたちは、生かされている、ということです。
【20】「だから」で締める
だから、歯いしゃさんはキライです。
だから、ぼくは日記を書き続けているのです。
【21】「そう」で締める
そう、これがわたしの正体なのだ。
そう、ぼくこそが、ヒーローになりそこねたザンネンなやつなのだ。
【22】「慌てて」締める
あっ、ママがかえってきた。作文はここまで。
しまった、もう書くスペースがない。おわらせてもらう。
文章の「書き出し」同様に、「締めくくり」にも、さまざまなパターンがあります。最後の「『慌てて』締める」などは、少しズルい終わり方のようにも感じます。しかし、10歳未満の子どもにしてはウィットに富んでいると思いませんか?注意するどころか、おもいきりホメてあげたい「締めくくり」です。
もちろん、「締めくくり」のバリエーションは、子ども自身が、さまざまな「締めくくり」に出合いながら、少しずつ増やしていくものです。個性的な「締めくくり」や魅力的な「締めくくり」を目にしたら、どんどん取り入れてマネするよう伝えてあげてください。一度使った「締めくくり」は、子ども自身の“引き出し”になるはずです。