脳科学者に聞いた! 子どもがあっという間に集中する「脳をダマす」方法
脳の集中力を上げるには、体幹の筋肉を動かす
実際、運動をすることで集中力が上がるという脳の仕組みを生かして、授業が始まる前に外遊びや運動の時間を取り入れている学校や園も各地にあるようです。
同じように帰宅後、家でも宿題や勉強の前に運動を取り入れて集中力をアップさせることができます。その際、「体幹」の筋肉を意識することがポイントです。
東京大学名誉教授の小林寛道氏は、体幹の筋肉(体幹深部筋)を動かす効果について、次のように述べています。
「体幹深部筋というのは、背骨や骨盤周辺、また四肢の付け根にある筋肉の総称です。姿勢を保ったり、歩く・走るといった人間の基本的な動作にかかわる重要な働きをする筋肉であり、その代表的なものが、背骨と脚をつないでいる大腰筋です。そして、これらの筋肉に刺激を与えると、意欲や根気、集中力が高まることがわかっています」
(引用元:プレジデントムック(2017),『プレジデントFamily 小学生からの知育大百科 2018完全保存版』, プレジデント社.)※太字は編集部で施した
本来は、勉強の前に外遊びをさせて体をのびのびと十分に動かせるのが理想ですが、環境や状況によって難しい場合は、体幹の筋肉を動かすことで同じような効果が期待できます。
脳に効く!集中力が高まるエクササイズ
脳の「やる気スイッチ」である線条体は、体を動かせば活動してくれます。そのため、特に決まったエクササイズを行なう必要はありませんが、ここでは例として、小林教授が提唱する大腰筋を動かすエクササイズを3つご紹介します。
【仰向けで行なうエクササイズ】
1)仰向けで床に寝ます
2)膝を90度に曲げ、お尻を浮かせます。おへそを天井へくっつけるイメージでゆっくり持ち上げます
3)持ち上げたらゆっくり元に戻します
4)2と3の動きを8回繰り返し、2セットを目安に行ないます【正座で行なうエクササイズ】
1)正座の姿勢になります
2)両手を前に伸ばし、背筋がまっすぐになるように前屈して伸ばします
3)伸ばした姿勢のまま、前を見るように首を上げます
4)そのままおなかの筋肉を引き締めて体をゆっくり元に戻します
【あぐらで行なうエクササイズ】
1)足の裏を合わせて胡坐の姿勢になります
2)両手でそれぞれの足首をつかんで、背中はまっすぐ伸ばしたまま、頭と肩でぐるっと大きな円を描くように上体をまわします
3)