質問には質問で返す!? 「論理的思考」と「問題解決能力」を鍛える親子の会話テクニック
たとえば、「出かけるから早く準備して」とだけ言うのではなく、「12時におばあちゃんのおうちに行かないといけないから、あと10分で家を出ないと間に合わないよ」と、目的や理由を明確にしたうえで伝えるといいそうです。
仮説を立てる練習で論理的思考が育つ!
おしゃべりが上手な子、自分の気持ちを伝えるのが苦手な子、いろいろなタイプのお子さんがいますよね。これからの時代に確実に求められるのは、「自分の考えを論理的に相手に伝える能力」です。しかし、『小学生からのロジカルシンキング』(SBクリエイティブ)の著者・苅野進氏は、それらの能力を大人になってから身につけるのは難しいといいます。
そこで重要なのが、子どものころから家庭で「思考の型」を持たせるように心がけること。その型をつくるのに効果的なのが、「仮説を立てる練習」だそうです。
最近の入試では、「自分の意見を書きなさい」というように、問題解決能力を試す問題が増えてきています。完璧な正解はないものの、頭の中でどのようにして物事を組み立てて、論理的な思考で問題を解決できるか、ということが評価されるようになってきているのです。
その能力は「仮説を立てること」でぐんぐん伸びていきます。
たとえば、突然「今日の夜ごはんは何だと思う?」と聞くとします。そこで子どもが「えー、わからないよ」と答えて終わってしまうようでは、深い思考力を身につけることができません。
「今日の夜ごはんは何だと思う?」
「わかった、カレーだ!」
「どうしてそう思うの?」
「昨日は肉じゃがだったでしょ?あまった材料でカレーが作れるよ」
「今日の夜ごはんは何だと思う?」
「うーん、ハンバーグかな」
「どうしてそう思うの?」
「テストでいい点を取ったから、ごほうびに大好きなハンバーグを作ってくれると思って」
「今日の夜ごはんは何だと思う?」
「コロッケ!」
「どうしてそう思うの?」
「きのう山盛りのコロッケを食べる夢を見たんだもん」
小学校低学年くらいでは、まだまだ論理的な仮説は立てられません。たとえ子どもの答えが論理的でなかったとしても、「仮説を立てる」という思考の型を育てることが重要です。どんな答えでも、親は「なるほど、そういう理由なんだね」と返してあげれば大丈夫です。
親の質問力を高めるテクニック
ベネッセ教育総合研究所の小泉和義さんは、日常生活を通じて親自身の子どもへの「質問力」