子どものメンタルヘルス週間とは? 幼少期から家庭で「心の健康」を守るのに役立つ絵本たち。
については、前にご紹介しました。近年こうした書籍は、どんどん数を増やしている印象です。
例えば、下の子供が様々な感情について話し合うために学校で使った本、In My Heart(『わたしのこころの中には』本邦未訳)。自分の心の中に起きる感情を取り上げ、話し合いをするための土台として用いたようです。
そして、私が面白いと思っているのがこちら。Hello Happy(『しあわせこんにちは』本邦未訳)と名付けられた、アクティビティブックです。対象は7歳以上。
子供が感情と向き合うためのワークブックとして、児童心理学者シャーリー・クームズ博士の監修のもと作られました。
Emotion(一時的な感情)とFeeling(もっと長く続く気持ち)の違いを説明し、どうやって感情や気持ちと向き合っていくのかを、落書きをしたり塗り絵をしたりしながら考えていく本になっています。特に、怒りと悲しみの感情を取り上げています。
ページをめくると、心拍数について知ろう、であるとか、怒りの度合いについて考えよう、といったテーマが並びます。
子供自身が絵や字を書くことが前提となっている本ですから、親御さんが補助できるのであれば、日本の子供でも使うことができるかもしれませんね。
同じシリーズで、高い評価を得ている3冊も併せてご紹介しましょう。ストレスや不安に悩む子供を対象にしたNo Worries(『しんぱいしないで』本邦未訳)、
不安を抱えている子供のためのBe Brave(『ゆうきをだして』本邦未訳)、
いじめに悩む子供を対象にしたStay Strong(『つよくいようよ』本邦未訳)。
これらの本の最初と最後には、イギリスの子供向けの相談ホットラインの電話番号やメールアドレスが掲載されています。
もしも、何かの拍子に子供が「お父さんやお母さんには話せない」と思い込んでしまったとしても、誰かが手を差し伸べることができるのですよ、というメッセージがここには込められています。
上記の本に載っている連絡先はイギリスの子供対象ですから、日本の子供には使えませんが、日本にも子供向けに24時間子供SOSダイヤルやチャイルドラインなどの相談窓口があります。そのことをお子さんが知っているだけでも、心強く感じられることでしょう。
子供が育っていく上で、出会う様々な感情。小学校にあがり、やがて子供たち自身の生活が大きくなっていけばいくほど、親の手の届かない子供の世界がひろがっていきます。