子育て情報『寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」』

2019年4月15日 11:40

寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」

寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」


不登校のかげにも睡眠の問題

睡眠不足による「心の発達」への影響は、親御さんにとっても特に気になるポイントでしょう。

睡眠が短い子どもは、「気持ちが落ち込む」「死にたい」といった悩みを訴えるリスクが上がってくるというデータがあります。アメリカで2万人の青年を対象とした調査では、就寝時間を夜11時以降で良いとしている家庭は、夜10時前に寝るようにしつけている家庭に比べて、子どもの睡眠時間が40分程度短く、鬱になるリスクが約1.24倍に上がっていました。また同じくアメリカの研究ですが、6~13歳の健康な子どもを対象に10時間の睡眠を連続5日間とらせた場合と、6.5時間の睡眠をとらせた場合の落ち着きのなさを比較した実験があります。それによると、10時間睡眠を続けると子どもは落ち着いた状態を保つ一方で、6.5時間睡眠になると日を追うごとに落ち着きのなさが増加することがわかりました。

現在、不登校の小学生の児童数は3.5万人にのぼり、大きな社会問題になっています。不登校のきっかけの多くは「学校に行こうという気持ちはあるが体の調子が悪い(42.9%)」や「生活リズムの乱れ(34.2%)」です。不登校児童には睡眠専門外来を訪れる方も多く、そこに至る過程をたどると、幼少期から夜型の生活を送っていたという子どもが少なくありません。


寝不足になると気分が悪く集中力がなくなります。大人は理性が働き、ある程度抑えることができますが、未成熟な子どもは抑えることができません。これにより、イライラする、友だちと仲良くできない、などの心の問題が表面化してしまうのです。また、睡眠時に記憶が定着することは先程お話しましたが、睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。気持ちが落ち込むのはこういった影響もあると考えられます。

大人は睡眠不足を解消するために土日に寝だめをするという人もいますが、毎日少しずつ貯まっていった睡眠不足=「睡眠負債」は残念ながら週末の寝だめで解消することはできません。
これは子どもも同じことです。寝だめのために週末の就寝時間、起床時間がずれてしまうことは、体内リズムを崩す原因になり、睡眠負債を解消することにはつながらないのです。

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