子育て情報『親子でアートを感じよう! 多様性の時代に必要な “生きる力” を育む「対話型鑑賞法」』

親子でアートを感じよう! 多様性の時代に必要な “生きる力” を育む「対話型鑑賞法」

これにより、「みる・考える・話す・きく」という人の基本能力が高められます。

ACOPではナビゲーター(VTSではファシリテーター)と言われるリード役がとても重要で、作品と鑑賞者を深くつなげるために、より大きな役割を担っています。対話の主導はあくまで鑑賞者側ですが、求めに応じて情報を提供したり、鑑賞を深めるプロセスをスムーズに運ぶため、熟練のスキルが必要になります。

親子でアートを感じよう! 多様性の時代に必要な “生きる力” を育む「対話型鑑賞法」


鑑賞に正解なんてない!親子で感じたことを語り合う方法

方法がわかったとしても、個人で本格的な実践はなかなか難しいですよね。そこで、前編でご紹介した専門家のアドバイスと対話型鑑賞法のエッセンスを融合して、親子で美術館を訪れた際に試せる方法をまとめてみました。

この方法の目的は「観察」と「感想」をリンクさせるクセをつけること。なぜそう感じたのかの答えは観察による発見の中にあるのです。

<親子で対話型鑑賞する方法>
(1)美術展や作者に関する情報は得ずに、先入観なしの真っ白な状態で美術館へ
(2)気楽にぶらぶら見て、親子でお気に入りの作品を1つ選ぶ
(3)【HOW】「どのように描かれているか」じっくり観察し、お互いのポイントを出し合う
(4)【WHAT】「その作品をどう思うか、何を感じたか」について語り合う
(5)【WHY】(3)と(4)を関連づけることで、作者の意図や時代背景などを想像したり、発想をとばして楽しむ
今回はみなさんがよく知る絵画「モナ・リザ」を例に【HOW】【WHAT】【WHY】の過程を具体的に試してみましょう。


親子でアートを感じよう! 多様性の時代に必要な “生きる力” を育む「対話型鑑賞法」


【HOW】
絵を見て気づいたことをなんでもいいのであげてみましょう。じっくり見れば見るほどたくさん見えてくるものがあります。
「姿勢がいい」「優しそう」「こっちをみてる」「少し微笑んでるかな?」「肌の色が白い」「肌が柔らかそう」「眉毛がない」「椅子に座ってる」「左手の上に右手をのせてる」「着心地がよさそうなドレスを着てるね」「後ろに道路や緑豊かな山や湖か川が見える」「よくみたら橋も見えるね」「絵の色が古めかしく見える」
【WHAT】
“HOW”の発見から受ける印象や感じたことを語りましょう。
「姿勢も身だしなみも良くて、優しそうな笑みが優雅な感じ(育ちが良さそう)」
「肌や洋服の質感がリアルで、絵が生き生きとして見える」
「薄い微笑みが謎めいても見える」
「見つめられているようでドキドキする」

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