親子でアートを感じよう! 多様性の時代に必要な “生きる力” を育む「対話型鑑賞法」
「後ろに自然が広がっているからか、ほっとする」
「絵の色が褪せて見えるから古い絵だと思う」
【WHY】
これまでの観察と感じたことから、作者はなぜこの絵を描いたのか、どんな時代だったのかなど、観察したことをふまえて、様々なことを想像してみましょう。
「古そうだし、これはすごく昔の絵で、モナ・リザさんは貴族だと思う」
「えらい人だから、自分の肖像画を画家に描かせてるんじゃない?」
「貴族は普段は都会に住んでると思うから、ここは別荘なのかも」
「とてもリラックスしているように見えるから、モナ・リザさんと画家さんは仲良しだったんじゃないかな」
以前ご紹介した、歌とアニメで “世界のびじゅつ” を紹介するテレビ番組『びじゅチューン』のように、想像力にまかせて、絵から発想を飛ばしたストーリーを作ってみるのも楽しいですね。
大切なのは、見たこと感じたことを語り合うことにより、気づきや学びが生まれ、アートを身近に楽しいものだと思えるようになることです。正解はありません。まずは直感を大切にして自由にやってみましょう。
対話型鑑賞法を試す前にオススメの絵本『あーとぶっく』シリーズ
最初から対話型鑑賞法を試すのは少し難しすぎるのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。でしたら、お試し前の準備体操として、鑑賞のヒントとなりそうな絵本があります。それが、『あーとぶっく』です。
皆が知っている有名な画家を自由な楽しい発想で分析するように書かれた絵本たち。作家の特徴をクローズアップして、子どもたちが興味を持ちそうなおもしろい発想で綴られているので、「観察→発想」のプロセスをイメージしやすいものです。
対話型鑑賞法に過剰な知識はNGですが、アートへのハードルを下げるはじめのステップとして、また、小さなお子さまにもとてもいい絵本です。シリーズは全13巻(ゴッホ・モネ・ピカソ・ルノワール・ルソー・スーラ・シャガール・ゴーギャン・クレー・マティス・ローランサン・モディリアニ・ミロ)、ぜひお子さまと一緒に読んでみてくださいね。
『ゴッホの絵本―うずまき ぐるぐる(小学館あーとぶっく)』
結城昌子著(小学館)
「なんかしっくりくるなあ、この絵」気が合う名画と、うまく出会えたらしめたもの。あなたはもう名画を鑑賞しているのではなく、名画を体験しているのです。このシリーズは、名画と友だちになるための私なりの絵本。
(引用元:artand結城昌子オフィシャルサイト|小学館『あーとぶっく』シリーズ全13巻)