子育て情報『親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係』

親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係

目次

・劣等感が生まれる!?「10歳の壁」とは
・10歳の壁を壊す「自己肯定感」の大切さ
・叱ってばかりだと、自己肯定感はボロボロに……
・「頭がいいね!」で自己肯定感は伸びない
親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係

「10歳の壁・9歳の壁・小4の壁」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。9~10歳のころに、子供が勉強面や心理面でつまずいてしまうのは珍しくありません。

「壁」を乗り越え、将来、自立した大人になるためには、この時期に自分に自信をつけることが大切です。今回は、子供が自分に自信を持つべき理由と、そのために親ができることを2つ紹介します。

劣等感が生まれる!?「10歳の壁」とは

10歳の壁とは、10歳前後の子供が直面する課題として、よく知られています。「9歳の壁」「小4の壁」と言われることもありますね。文部科学省は、この時期の子供について、次のように説明しています。


対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。
自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。

(太字による強調は編集部が施した)
(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)

子供の考え方は9~10歳の時期に大きく転換します。この転換によって、抽象的な「5-2=3」という式を、「5個のミカンを2つ食べたから残りは3個」などの具体例を介さずに理解できるようになります。

また、抽象的な概念だけでなく、他人の目から見た自分の姿も理解し始めます。抽象的な考え方ができるようになるまでの期間は個人差があるので、子供たちは自己と他人を比べてしまい、自己肯定感を失いがちです。そして、このときに自己肯定感を失ったままだと、その後の成長に大きな影を落としかねないのです。

親が知っておくべき「10歳の壁」と自己肯定感の関係


10歳の壁を壊す「自己肯定感」の大切さ

多くの企業・学校で活用されている行動習慣化メソッドを開発した人材育成研究家の永谷研一さんは、自己肯定感の大切さを次のように述べます。



自己肯定感が高い人は、楽観的に物事を考えることができるので、少々不安であっても前向きな行動を起こすことができます。また自分の気持ちを開示することができるので、周りからのアドバイスも受けやすく、ぐんぐん成長することができます。
その逆に自己肯定感が低い人は、悲観的に物事を考えてしまう傾向があります。新しい行動を起こそうとしてもリスクを考えて踏みとどまってしまい、前に進むことができません。

(太字による強調は編集部が施した)

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