子どもが「キレやすい」人間に育ってしまう、“絶対にNG”な親の振る舞い方
17歳前後の少年が相次いで凶行を起こしたことで、「キレる17歳」という言葉がメディアをにぎわせたのは、2000年頃のこと。それから約20年が過ぎましたが、その間にも、いわゆる「キレる」子どもたちの存在による学級崩壊等の問題は報じられ続けています。
では、子どもをキレにくい人間に育てるにはどうすればいいのでしょうか。カウンセリング心理学博士であり、アンガーマネジメントの専門家でもある早稲田大学教育学部教授・本田恵子先生にアドバイスをしてもらいました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
「キレる」人間には3つのタイプがある
一般的に「キレる」というと、興奮して怒っている状態をイメージするでしょう。でもそれだけではなく、「キレる」人間には大きく3つのタイプがあります。
ひとつは、そのすぐに興奮して怒りっぽいタイプ。わたしは「赤鬼」タイプと呼んでいます。
アドレナリンが出やすく、いろいろな刺激に対してすぐに興奮してカッとなるタイプですね。このタイプは、八つ当たりをしやすく周囲に自分の感情をまき散らします。大人でも、パワハラをするような人はこのタイプに属します。
その逆にあたるのが「青鬼」タイプ。強い不安を抱えていて、ひきこもる傾向にあります。自分が安心できる場所にいたり活動をしたりしているときは安定していますが、そこに他者が侵入してきてやりたいことを止められたり、無理やり外に出されそうになったりすると、激しい攻撃をすることもあります。
さらに「凍りつき」というタイプもあります。これは、虐待やいじめ、それから支配的な家庭に育った子どもに多いタイプですね。
子どもは3歳くらいになると、「こういうことをやりたい」といった自我が出てきます。でも、自我を出したときに親に否定されると、子どもは「いい子でいないといけない」と思うようになります。ただ、自我に逆らって「いい子」でい続けるのは大変です。小学校ではずっと「いい子」だった子どもが、中学生になるといきなり不登校になっちゃった――。「いい子」でいることに疲れてしまうと、こういうことが起きるのです。
親が怒鳴るときは子どもの脳も怒鳴っている
そういった点も含めて、「キレやすい子ども」になってしまうかどうかは、親のかかわり方にかかっているといってもいいと思います。
じつは、安定した子どもになるかどうかのまず第1段階は、生まれてから3カ月くらいのあいだに決まってしまいます。