子育て情報『親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選』

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選

それは、子どもの反応をあらかじめ想定した素材選びは禁物だということ。作品に対する印象や反応は、子どもの性格や年齢によっても大きく異なります。複雑な内容の作品や抽象的な作品は子どもには難しすぎる、謎めいた作品は恐怖心をそそるのでは、などと大人が勝手に決めつけるのはやめましょう。

子どもに分かりやすいもの、正解がはっきりしているものを選ぶといった大人の一方的な発想が、子どもの自由な発想や感性、ひいては自立した思考を削ぎ落してしまうのです。先入観を捨て、子どもの想定外の反応に驚き、一緒に鑑賞を楽しむ姿勢を持ちましょう。

素材自体は、アメリカの美術館の無料オンラインサービスで所蔵作品の高精度画像をダウンロードしたり、気軽に入手できるアート雑誌や画集を1冊購入するだけで、いくらでも手に入ります。本記事の後半で詳しく説明しますが、まずはその前にどのような作品を選ぶとどのような鑑賞ができるのか、お伝えしましょう。

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


【作品例1】複雑な作品

最初はアーティスト、Jose Manuel Aznar Diaz による複雑な作品から。
複雑な内容の作品だからといって、不安に思うことはありません。子どもは大人の心配をよそに、自由に鑑賞を楽しむはずです。

この作品を見て、あなたならまずどこに注目しますか?

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


子どもは、作品を見るとき、作品の全体像よりも、まず様々な個々の部分に注目します。

・描かれた人々はどのような人々なのか
・何をしているのか
・なぜそう思ったのか
これらを聴いてあげると良いでしょう。そして描かれている人から人へ視点が移動していく様を、子どもと一緒に辿っていきましょう。

作品の解釈には、鑑賞者それぞれが育った環境や経験、好みや思考の特性が反映されます。つまり、子どもは作品の中に自己を投影するのです。

子どもの思考形成の過程を見逃さずに、様々な立場への視点の移動、そして作品の一部分と全体との関係性に目が向けられると良いですね。


【作品例2】謎めいた作品

お次は、アーティスト Barbara Kroll による謎めいた作品です。これを見て、あなたとあなたのお子さんはどう感じるでしょうか。

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


初めて見たときは、怖いと思われる方もいるかも知れません。しかし、じっくり見ていくうちに、優しい印象に変化していくはずです。

作品1と同じように、まずは個々の部分に区切って見ていき、その後全体像を見直していくと良いでしょう。

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