AI時代を生き抜くためには「読解力」が必須である! 開成高校校長と数学者の答え。
「AIに仕事を奪われる時代はすぐそこにきている」
「今の子どもたちが社会に出るころには、人間にしかできない仕事なんてなくなる」
AIの進化のスピードに直面したり、ニュースで科学技術の進歩を目の当たりにしたりするたびに、そんな不安を感じることもあるのではないでしょうか。
たしかにAIは、私たちの生活を大きく変え、働き方や仕事の質まで変えています。子育て中の私たちにとっても、子どもの将来を思えば不安を覚えずにはいられませんよね。今回は、「AI時代に身につけておきたい能力」について考えていきましょう。
AIで仕事がなくなるってほんと?
社会学者の鈴木謙介先生は、AIで仕事がなくなるという考え方は大げさだと述べています。なぜなら、人類の長い歴史の中で、仕事の生産性を上げる技術が何度登場しても、結局はそれに対応する新しい仕事が増える、ということを繰り返してきたからです。
また、AIと人間には決定的な違いがあることも理由のひとつだといいます。
AIは基本的に、膨大な情報から一定のパターンを見つけ出し、自動化するのが強みです。一方で、ひとりひとり違う個性や特質に合わせて、臨機応変に対応していくようなことは苦手としています。AIが苦手なことーーそれには “人間らしさ” が顕著にあらわれていますね。
たとえば「発想力」。教育改革実践家の藤原和博さんは、AIに代替されない基礎的人間力と、AIにはできない自由な発想を生み出す “柔らかい頭” こそ、これからの未来に欠かせない力だといいます。
正確性や処理スピードの速さにおいては、人間とAIとの差は今後ますます広がっていくでしょう。しかし、自分でアイデアを生み出し、あらゆる状況に臨機応変に対応できる力こそ、まさにAIが人間にはかなわない能力なのです。
これからの時代に必要な能力は?
2016年、世界が直面する問題について各国で議論する世界経済フォーラム(通称ダボス会議)にて、『2020年に労働者に求められるスキル』が発表されました。
結果は次の通りです。
1位複雑な問題解決能力
2位批判的思考力
3位創造力
4位人材マネジメント力
5位他者との協調性
6位感情的知性
7位判断力
8位サービス志向
9位交渉力
10位認識の柔軟性
1位の「複雑な問題解決能力」については、まず身のまわりの小さな問題を自分で解決する習慣をつけることで身につきます。