動物園は学びの場! 上野動物園の学芸員が伝授する、親必見の「動物観察準備テク」
“鳥のくちばしを観察してみよう”“日本に暮らす動物を観察しよう”など号ごとにテーマがあり、こんな視点で見ると面白いというヒントを提案しています。
双眼鏡やスケッチブックがあると、動物観察をより楽しめます
動物の足や角などの細かいところを観察するには双眼鏡が役に立ちます。大型のものでなくても2~3倍のオペラグラス程度のもので充分ですよ。
気がついたことをメモしたり、動物をスケッチしたりするノートと筆記用具も忘れないようにしましょう。カメラで撮るのも便利ですが、写真撮影が目的になってしまって観察そのものがおろそかになってしまう場合もありますから、一緒に行く大人が写してあげると良いと思います。
そのほか、動物園は野外施設ですので、暑い季節は熱中症対策にも気をつかってください。帽子や飲み物のほか、保冷剤を持っていくと首筋に当てて体を冷やしてあげることができるので便利です。
動物たちとのマナーも大事。相手を思いやる気持ちを育みます
お子さんには「自分がされて嫌なことは動物にもしないでね」と教えてあげましょう。たとえば、動物をおどかさないこと。寝ているからといって、ガラスを叩いたり、大声で呼んだりして起こそうとしないでください。エサをあげるのも絶対いけません。人間が食べるものでも動物にとっては毒になるものもありますし、栄養の偏りも出てしまいます。時々「動物が喜んでいるからいいのでは」という声を聞きますが、もしも自分の子どもが誰かに晩御飯を食べられないくらいお菓子をもらっていたら困りますよね。大人も自分に置き換えて考えてみることが大切です。
混雑している場合、最前列である程度見たら、後ろの人に譲ってあげることも大切です。動物園は大人が公共のマナーを教える場でもあるんですよ。動物とお子さんを一緒に写真を撮る際にも周囲への配慮をお願いします。また、写真を撮るときはフラッシュをオフにしてください。動物はフラッシュの光が苦手です。特に薄暗い場所にいる鳥の場合、フラッシュに驚いて急に飛んでしまい、ガラスにぶつかって怪我をすることがあるからです。
それから、動物を見るときに大人が「気持ち悪い」「汚い」「臭い」などのマイナスの言葉を言わないようにしましょう。子どもに伝わってしまうと、その言葉通りにしか見られなくなってしまいます。
子どもが自分の感性で動物を知る姿を大人は見守ってあげてください。