「いくら言っても分かってくれない」のは、叱り方がその子に合っていないから。
また、ものごとをもとから知りたい傾向があり、「なぜ?」という口癖があることも共通点。
「ロジカル」の子どもにはルールを決めて具体的に叱る
前回の記事では、親が子どもを褒めているつもりでも子どもがそう受け取っていないコミュニケーション・ギャップが持つ危うさについてお伝えしました(インタビュー第3回参照)。今回は、子どもの叱り方について解説します。
叱るときには、褒めるとき以上に注意が必要です。というのも、叱るという行為の場合、子どもの心に届かないやり方をしてしまうと親子間の衝突を引き起こし、親子関係がこじれてしまうことになりかねないからです。
まず、「ロジカル」の子どもに対してはどんな叱り方が合っているのでしょうか。ロジカルというタイプには、自分の努力や成果に対して具体的にピンポイントで褒められたいという特徴がありますが、叱るときもそれは同様。なにについて叱っているのかを具体的にしっかり伝えることが大切です。
また、ロジカルにはルールを重視する特徴もありますが、そのルールは事前に決めておくことが大前提。親が自分のなかで勝手にルールとしているようなことも、子どもが同意していないのならルールとはいえません。つまり、ロジカルの子どもに対しては、事前に親子できちんとルールを決めておくことも重要です。
ルールを決めるというと、「子どもをルールで縛りつけるなんて……」とあまりいい印象を持たない人もいるかもしれません。けれども、ロジカルの子ども自身がルールを好みますし、自分が決めたルールを守れれば心地良く感じ、逆にルールを破った場合に叱られたとしてもきちんと納得して受け止めてくれるのです。
感性豊かな「ビジョン」の子どもにはネチネチ叱らない
では、「ビジョン」の子どもの場合はどうでしょうか。ビジョンというタイプは、感性が豊かで「察する」力に長けています。そのため、親が怒っていることもしっかり感じ取れますから、ネチネチと叱らないことがなにより大切。
短い言葉で端的に叱り、「これからはちゃんとしようね」「今度からこうしたほうがいいよ」と前向きな言葉を併せて伝えてあげてください。
ただ、この「こうしたほうがいいよ」という言葉は、ロジカルの子どもに対してはNGです。というのも、自分でものごとを決めたいロジカルの子どもの場合、「こうしたほうがいいよ」といわれると、選択権が自分に委ねられたと感じるからです。