「いくら言っても分かってくれない」のは、叱り方がその子に合っていないから。
そうして、「こうしたほうがいい=こうしなくてもいい」ととらえ、同じ過ちを繰り返すということにもなりかねません。
それから、「ピース」の子どもに対しては、叱っている理由をはっきりと伝えてあげてください。ピースというタイプは、ものごとをもとのもとから知りたいという傾向があるからです。
ところが、親がロジカルの場合には、親は「駄目でしょ!」とだけ叱って理由を伝えないということがよくあります。ロジカルの親は、「ルールを破ったんだから、『駄目』といえば子どももわかる」と思っているからです。でも、ピースの子どもには、「駄目」だけでは伝わりません。ルールを破ったことを叱るのであれば、「一緒に決めたルールを破ったんだから」と、理由もきちんと伝える必要があるのです。
親子のタイプが同じでも注意が必要
ここまでで、みなさんのなかには「親子のタイプが同じなら、コミュニケーション・ギャップは生まれないのか」という疑問を持った人もいるかもしれませんね。
残念ながら、たとえ親子のタイプが同じでも気をつけることはあります。
たとえば、ロジカル同士の親子の場合を考えてみましょう。親子はそれぞれが自分の計画やペースを重視します。でも、その計画やペースにギャップがあったとしたら?小さい子どもはあらゆることにまだ不慣れです。なかにははじめて経験することも多いでしょう。つまり、親と比べれば、なにをするにも子どものペースは遅いのです。
すると、そのペースのちがいに親がイライラするということがよく起こるのです。ロジカルの親は、「7時には夕食を食べさせて、8時にはお風呂に入れて、9時には寝かせたい」なんて考えその計画を遂行しようとしますが、子どもも子どもなりのペースでゆっくり進めようとする。
そして、親はつい「早くしなさい!」と叱ってしまうのです。
みなさんのなかにも、「早くしなさい!」とよく口にしていると感じてハッとした人もいるのではないでしょうか。子どもは子どもなりに頑張っているのですから、大人である親の側が子どもを寛容に見守ることを心がけてあげてください。
ここではロジカル同士の親子についての注意点を挙げましたが、もちろんその他のタイプ同士の親子にも注意すべきことはあります。いずれにせよ、親自身と子どものタイプの特徴を知ることで、叱り方も含めた、子どもとのより良い接し方を見つけていけるはずです。