バレエを習い始めるなら何歳から? 技術がしっかり身につく一生に一度のベストタイミング
と「プレ・ゴールデンエイジ」が大きく関係しています。
■ 一生に一度しかこない「ゴールデンエイジ」
ゴールデンエイジとは、9~12歳ごろにおとずれる、運動能力が著しく発達する時期のことです。その根拠は、アメリカの医学者・人類学者のスキャモンが発表した「スキャモンの発育発達曲線」(下図)によって説明することができます。
(画像引用元:国立スポーツ科学センター|女性アスリート指導者のためのハンドブック 1 発育・発達について)
スキャモンの発育発達曲線では、人間の器官を一般型、神経型、生殖型、リンパ型の4つに分類し、それぞれが100%に成熟するまでの発達の仕方が曲線で示されています。このうち「神経型」の青い線を見ると、10歳ごろまでに大人と同等のレベルまで発達することがわかります。
神経型は脳や神経の働きのことであり、スポーツの面ではすばやい身のこなしや反射神経といった重要な能力に関与しています。この能力が10歳ごろまでに完成することから、9~12歳ぐらいのゴールデンエイジは運動能力の基礎を築くうえで重要な時期だと言われているのです。
ちなみに、ゴールデンエイジは一生に一度しかやってきません。
「神経が急激に発達するこの時期に運動することで、スポーツがうまくなる」という、まさに「黄金期」なのです。
■ 年中~低学年にあたりにやってくる「プレ・ゴールデンエイジ」
このゴールデンエイジの前段階が「プレ・ゴールデンエイジ」です。
リオ五輪で陸上日本代表のコーチを務めた堀籠佳宏氏によると、プレ・ゴールデンエイジは骨も筋肉も発達途上な時期。この年齢のうちに競技を問わず幅広い運動経験をすることが、のちの運動能力の基礎になるのだそう。ゴールデンエイジを最大限充実させるには、プレ・ゴールデンエイジからの運動経験が重要なのです。
そんなプレ・ゴールデンエイジがやってくるのは、5~8歳ごろ。年中~低学年ごろにあたる時期です。
運動能力を高める一生に一度のチャンスを最大限に活かすためにも、プレ・ゴールデンエイジにしっかり運動経験を積むべきである……。
これが、3歳~低学年ごろまでにバレエを習うべきとされる理由だというわけです。
8歳を過ぎてからバレエを習い始めたら、遅すぎるの?
では、子どもが8歳を過ぎてからバレエに興味を持ち始め、習いたいと思っても、それでは遅すぎるのでしょうか?答えは「ノー」