ただの音楽教育じゃなかった! リトミックの効果とレッスン内容を詳しく解説。
音楽系の習い事のひとつとして注目されている「リトミック」。子どもの教育によいと評判で、全国にはさまざまな教室がありますが、そもそもリトミックとはどんなもので、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか?
ここでは、リトミックに期待できる教育効果や、リトミック教室でのレッスンの一例(年齢別)を紹介します。
そもそも、リトミックとは?
リトミックとは、スイスの作曲家・音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)が提唱した音楽教育です。リトミックを英語で表記すると「Eu Rythmics」。「よいリズム」を意味します。言葉の意味からわかる通り、リトミックの特徴は、音楽のリズムに合わせて体を動かし、表現することにあります。
そんなリトミックには、「音楽教育」としての側面だけでなく、「人間教育」としての側面もあります。
国際幼児教育学会常任理事でユリ・リトミック教室主宰の石丸由理氏は、幼児期にリトミックを習うことの教育効果として以下の点を挙げています。
【リトミックで学べること:音楽教育の面】
- 音楽の始まりと終わりの感覚
- 基本的なリズム
- ダイナミクス(音の強弱)
- ピッチ(音の高低)
- サイレンス(音のない時間)
- いろいろなリズムパターン
- リズムフレーズ
- 拍子
- いろいろな音色、ニュアンス
- 感覚を通して音楽を感じ、表現する力
【リトミックで学べること:人間教育の面】
- 自分から耳を傾けて聴き、どうしたらよいかを判断する力
- 音に対してすぐに反応できる力
- 記憶力や集中力
- 緊張とリラックスの使い分けができる適応力
- 学んだことをほかの場面でも使える力
- 人との上手な関わりを通しての社会性、協調性
- 人のアイディアを受け入れる力
- 自分のアイディアを創造する力
- 心の中で聴く力
リトミックが人間教育にもつながる理由は、ただ音楽を聴くだけでなく、全身を使って表現したり、コミュニケーションを通して音楽を体感したりするためです。また、子どもによっては、レッスンの中でうまくできないことにも出合います。その際に「自分の力でどうしたらよいかを考え、解決する」経験が、子どもを人間的にも成長させるのだと石丸氏はいいます。
年齢別(0~5歳)リトミックのレッスン内容
楽しく音楽を学びつつ、注意力や集中力などさまざまな能力を高めることができるリトミック。実際の教室では、どのようなレッスンが行なわれているのでしょう。