「コツコツ勉強」「諦めずに練習」が苦手な子どもを生まれ変わらせる “4つのアプローチ”
肝心なのは、4の「ほめてやる」です。子どもが一度でも「成功体験」できたなら、「練習したからできたんだよ」と励ましましょう。この声かけが、練習を続ける意欲につながります。
ただ、何度練習しても成功できないこともありますよね。子どもがそんな状況に陥ってしまったときは、先に書いたように、「プロは本番のわずかな時間のために、何時間も何か月も練習しているんだ」と話して聞かせてみてください。
また、「努力の壺」の話を聞かせるのもいいでしょう。これは、「見えない壺の中に、練習すればするだけ努力した力がたまる。壺が満杯になって努力があふれ出したときが、『できる』ようになるときなのだ」という訓話です。
壺が努力でいっぱいになるまでは、何度練習してもうまくできないこともある。でも、突然うまくできるようになる時期が来る(「ブレークスルー」ともいいますね)。このことを子どもに教えておくといいと思います。
いまご紹介した方法は、どのような練習にでも活用することができます。筆算の練習、習字でお手本そっくりに文字を書く練習、ボールを遠くまで投げる練習、自転車を転ばずに漕ぐ練習、1,000mを〇分以内で走る練習……。ぜひご家庭で実践してみてください。
方法2. 勉強時間は「少しずつ増やす」
ここからは、さらに具体的な例をいくつか挙げていきます。
「1日たった30分の家庭学習でさえ、続ける努力ができない」。
そんな子どものことでお困りでしたら、時間を毎日少しずつ増やすことを意識してみてください。
漢字や計算などのワーク、習字、リコーダー、鍵盤ハーモニカ、なわとびなど、学習あるいは練習を30分続けるというのは、子どもにとってはけっこう大変なことです。大人は「たかが30分なのに」と思うかもしれませんが、子どもには意外と長い時間なのです。ですから、今日は10分だけ、明日は15分……など、時間を少しずつ伸ばしていくとよいでしょう。
ちなみに家庭学習の目安は、1日トータルで「学年×10分」と言われることが多いようです。6年生であれば「6×10」で60分=1時間。こうしてみると、たとえば1年生が30分も家庭学習をできたら、3年生並みにできたということになります。
また、初めのうちは机に向かわせるだけでいいとも言われています。
勉強でなくても、「学年×10分」の間、机で好きなことをさせておけばいいでしょう。