子どもの教育で「しなくてもいいこと」はこんなにあった。いつも笑顔じゃなくていい!
SNSの普及もあり、教育情報があふれる時代になりました。もちろん情報に助けられることもありますが、理想の子育てと自分の子育てを比較して落ち込むことも多いのではないでしょうか。
それぞれはすばらしくても、すべての教育方法を取り入れることがベストとは限りません。逆に、親が頑張りすぎて余裕をなくしてしまうことは、子どもにとって悪影響です。親子で “ゆとり” をもつために、「しないこと」を考えてみませんか。
親のストレスが子どもに悪影響を及ぼす……
親がいっぱいいっぱいの状態になり、ストレスをため込んでしまうのはとても危険です。なぜならば、その親のストレスが、今度は「マルトリートメント(不適切な養育)」というかたちで子どもに悪影響を及ぼすからです。
マルトリートメントの意味は、虐待よりももっと広い意味の「子どもの健全な成長・発達を阻む不適切な行為」。たとえば、「大声で叱りつける」「叩く」「気分に任せて態度を変える」行為などが、それにあたります。
子どものこころの発達研究センター発達支援研究室の小児科医・友田明美氏(福井大学教授)によると、マルトリートメントがエスカレートすると、子どもの脳に強いストレスがかかり、脳の損傷を招くこともあるのだそう。その結果、脳機能にも影響が及び、正常な発達が損なわれてしまうとのこと。子どもによっては、キレやすい性格になったり、うつ状態になったりするケースも……。
また、親のストレスが子どもの人間関係にも悪影響を与えると話すのは、日本メンタルアップ支援機構代表理事の大野萌子氏。子どもにマナーを守らせるとき、「親自身のイライラをぶつけるように “表情も音調も冷たく、言い放つ” ような冷たい対応をしていると、いずれ、子どもも他人に対して同じような態度をとるようになる」と警告しています。さらにこのとき、親に口答えできず、我慢を強いられ続けると、自分より弱い人に対して攻撃的になる傾向もあるのだそう。
そんな最悪の状況は避けたいですよね。そのためには、親の精神的な “ゆとり” を確保するのが有効です。次に紹介する「10のしないこと」をぜひ参考にしてみてください。
子どもの教育に疲れたら「10のしないこと」を考えて
「疲れたな……」「イライラしているな」と感じたら、 “しなくてもいいこと” を考えてみましょう。
合同会社こどもみらい探究社代表で保育士の小竹めぐみ氏と小笠原舞氏、教育学博士であるアグネス・チャン氏など、子育て・教育のプロたちの提言を参考に、「10のしないこと」