子どもたちの75%にストレス反応あり! 教育評論家・精神科医・発達心理学者は夏休み短縮をどう見る?
「寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりする」との回答も多かったそう。
教育評論家の親野智可等さんは、「子どもの現状に対する大人たちの無理解」に苦言を呈しています。新型コロナウィルスの流行以降、子どもたちがどのような状況に置かれてきたか、思い出してみましょう。
自粛期間中、友だちと遊ぶことはおろか外出もままならず、3月の思い出づくりや4月の新学期のわくわく感も失われ、学年によっては卒業式も入学式も中途半端なまま終わってしまったかもしれません。
学習面でも、大量のプリントだけを渡された子、初めてオンライン授業に挑戦した子、なかなか自主的に取り組めなかった子など、学校の方針や家庭の事情によって大きく差が開いてしまったことも事実です。このような状況に置かれて、ストレスをまったく感じないほうが珍しいのではないでしょうか。
さらには、学校が再開されても休み時間が短くなったり、土曜日に授業をする学校もあったりと、自粛中に続いて自粛が開けても子どもたちは緊張状態を強いられていました。そのうえ夏休み短縮ともなれば、ストレスが限界に達してもおかしくありません。
非認知能力を伸ばすための夏休みは短縮すべきではない!
みなさんは「授業時間が減って学力が落ちているぶん、授業時間を確保して学力をつけることが子どものため」と思い込んでいませんか?親野先生は、「日本の教育は、点数化できる認知能力のみを大切にする傾向が強く、狭い範囲で考えすぎている」と警鐘を鳴らしています。そのうえで、次のように考えることをすすめています。
しかし、将来大きく伸びるためには狭い学力だけでなく、もっと広い意味での学力が必要です。例えば、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力、「自分はやれる」という自己肯定感、他者の気持ちへの共感力など、点数化できない非認知能力が高いことが大事なのです。
(引用元:オトナンサー|「授業は子どものため」は大人の思い込み夏休みを絶対短縮すべきでない理由)
非認知能力を伸ばすには、自由な時間に思いきり遊んだり、やりたいことに熱中したり、ときにはぼーっとして過ごしたりすることが何よりも重要。だからこそ、自由な時間をたっぷりと確保できる夏休みは、子どもの能力を引き出すよい機会になるのです。
「子どもの学習ペースが半年や1年ほど遅れても、そんなに大きな差にはならない」