暗算能力が伸びすぎる!? 計算を頭のなかで画像処理する「そろタッチ」に子どもがハマる理由。
そろタッチには、「珠のイメージ力」をサポートする特許技術が入っています。加えて、生徒からリアルタイムで送られる学習履歴データを分析し、カリキュラムに活かすことによって、効率的な能力開発を可能にしています。
今木:生徒の学習データを分析するのは、RISUでも同様です。この連載のテーマのひとつに「エビデンス・ベースドの教育」があるのですが、まさに「そろタッチ」もエビデンス・ベースドな教材なわけですね。そろばん教室からそろタッチ教室へ転向したことで、どれくらいの効果が生まれたのですか?
橋本:そろばん教室では、4年間で全体の10%の子どもがそろばん式暗算を習得していたところを、そろタッチ教室では、62%の子どもが平均20ヶ月で習得しています。
今木:すごいですね……半分の時間で6倍の効果が出るとは。でも、そろばんもそろタッチも、「指を使う」という点は同じですよね。なぜそろタッチのほうが効果が上がったのでしょう?
橋本:たとえば、そろばんで桁数の少ない計算をするときを考えてみてください。
すると、盤上には計算に使わない珠がたくさんあります。これが、そろばん全体のイメージをするときに邪魔になってしまうのです。一方、そろタッチは、iPadの技術を活かして、計算に使う珠だけが真っ暗な背景に色つきで表示されるようになっているんです。
今木:必要なものが必要なときに出てくる。
橋本:そうです。両手で操作する「両手式」もひとつのポイントです。片手で操作するより計算スピードも速くなりますし、脳の数字を処理する部分とイメージを処理する部分を同時にバランスよく刺激できるので、脳が活性化して、イメージ力のアップにつながります。きわめつけは、珠をタッチしても色がつかないモードです。
このモードでは、頭のなかで珠をイメージしながら計算しなくてはならないので、イメージ力をより効果的に鍛えることができます。
今木:前にタッチした珠を覚えたまま、次の珠をタッチする――手前まで戻って考えるというのは将棋みたいですね。
橋本:そうですね。囲碁も近いかもしれません。とにかく、タッチすると色がつく「見えるモード」と色がつかない「あんざんモード」、このふたつを反復して行なうことによってイメージ力を鍛え、計算を頭のなかで画像処理する「そろばん式暗算能力」を効率的に身につけることができるのです。今木:機械の特性をうまく活かして、子どもの暗算能力を伸ばせる教材をつくられたわけですね。