暗算能力が伸びすぎる!? 計算を頭のなかで画像処理する「そろタッチ」に子どもがハマる理由。
そしてそれは実際、データとしても成功している。
最高のパフォーマンスを出すための「Growth Mindset」
今木:最近、スイミングスクールでもそろタッチ教室が導入されたと伺いました。スイミングなど運動系の習い事と塾をかけもちする子どもは多いですが、一方で、「習い事が忙しくて、勉強の時間がとれない」という声もよく聞きます。習い事と勉強の関係について、橋本さんはどのようにお考えですか?
橋本:はい。今年の6月から、東京都内のカルチャースクールを併設しているスイミングスクールでそろタッチが導入されました。スポーツに限らず、さまざまな習い事を受けられるこの施設で、われわれがなぜそろタッチ教室を開講したか。その理由からお話ししましょう。
じつは、僕らがそろタッチを使って達成したい目標は、いままでお話ししたような「計算力を上げる」というところに留まりません。
計算力を上げることは、目標ではなく、手段に過ぎません。つまり、「計算力」というわかりやすい能力が開発される過程を経験することによって、数字に対する自信、ひいては「Growth Mindset(経験や努力によって将来をポジティブに変えられるという考え方)」を獲得すること、それが最終的な目標なんです。
スポーツにおいて、Growth Mindsetは非常に重要です。Growth Mindsetをもてず、「僕(私)なんていくらやってもダメだ……」と思っていたのでは、どんなに練習を積んでもよいパフォーマンスは出せない。これは勉強も同じことだと思います。
今木:スポーツと勉強は、土台の部分ではすごく近いわけですね。
橋本:すごく近い。そろタッチは、90%以上の学習は家で行なわれるよう “仕組み化” しています。
だから、スイミングスクール内で提供されているそろタッチコースは、学習の場というよりむしろ、家での勉強の成果を披露する場なんです。そして、それを見守るファシリテーターと呼ばれる大人の役割は、スイミングスクールでコーチをしている人たちの役割にすごく近い。
今木:子どもに成功体験を与えることで、モチベーションアップを手助けしている。橋本:そうですね。子どもの能力開発において、やはりGrowth Mindsetの考え方が共通項になっていると感じます。幼少期からこの考え方を身につけることは、子どもにとって大きな価値となります。