「ピンチを楽しめる子」の親がしている、たった2つの行動。AQ(逆境指数)って何?
また、子どもを「メシが食える大人にする」という教育理念を掲げる学習塾・はなまる学習会代表の高濱正伸氏は、逆境に強い人間について次のように述べています。
逆境を楽しめる人は、人生を満喫しようとしている人です。何もかも安定して問題ありませんという人生ゲームは面白くないと分かっている。だから自分にとって適切な負荷のかかる状態、「どうだろうできるかな、いややるしかない」と思える程度に向かい風や壁や目標があったほうが、充実できると知っている人です。
(引用元:花まるコラム|高濱コラム 『AQ』※太字による強調は編集部が施した)
AQが高い人は、「逆境を楽しめる人」なのですね。しかし多くの親は、「向かい風」や「壁」から子どもを守ってしまいがちではないでしょうか。そんな過保護な親の行動について高濱氏は、「幼い頃に『しなやかな強さ』を育むことをしなければ、逆境に弱い人間になってしまう」と警鐘を鳴らしています。では、どうすれば子どものAQを高めることができるのでしょう。
子どものAQを育む、親の行動2つ
AQは生まれつきの才能ではありません。社会心理学者・渋谷昌三氏も著書『AQ-人生を操る逆境指数』のなかで、「子どもの頃の体験」がAQに大きな影響を与えると述べています。親の行動次第で子どものAQはどんどん高めることができるのです。
渋谷氏・高濱氏のアドバイスを参考に、子どものAQ向上のために保護者が実践すべき行動を紹介します。■口出しをせず、ひたすら見守る
「子どものためのアドバイス」を、一度見直してみましょう。たとえば、子どもが積み木で遊ぶとき。「この積み木のほうが大きくていいんじゃない?」など、 “効率” を知っている大人はついアドバイスしたくなります。でも、ぐっと堪えてください。
なぜなら、うまくできなくても、自分でやってみることが大切だからです。失敗を繰り返し、自分で解決法を見つける体験がAQ向上につながります。特に、子どもが集中して何かに取り組んでいるときは、口出しを控えて見守りましょう。
■「ちょっと高い壁」に挑戦させる
「かわいい子には旅をさせろ」「若いときの苦労は買ってでもせよ」――まさにAQアップのためのことわざですね。子どもには、あえてちょっと高い壁を用意してあげてください。初めてのおつかいのような、「まだ無理かな。でも頑張ればできるかな」