子どもが〇〇になる、3つの「超危険なほめ方」。 脳科学者がすすめる「正しいほめ方」とは?
「ほめる子育て」が一般に浸透してからずいぶん経ち、自身の育児にうまく取り入れる人たちがいる一方で、「うちの子はほめすぎると調子に乗って自信過剰になるかもしれない……」と心配して、ほめ言葉を飲み込んでしまう親御さんも少なくないようです。
では実際に、「親にほめられ続けた子ども」や「叱られずに育った子ども」は、成長過程においてどのような問題を抱えるようになるのでしょうか。また、どのような大人へと成長するのでしょうか。
今回は、「ほめる子育て」をテーマに、その危険性と子どもを伸ばすほめ方についてとことん考えていきます。
アドラー心理学では「ほめる子育て」はNG!
株式会社子育て支援代表取締役であり日本アドラー心理学会/日本個人心理学正会員でもある熊野英一氏は、「ほめすぎることは、子どもの人格形成に悪影響を与えることがある」と指摘します。具体的には、「ほめられないと何もしなくなる」「指示待ち人間になる」「チャレンジしなくなる」など、将来自立した人生を歩むために必要な力が身につかなくなってしまうのだそう。
なぜ自発性が乏しい若者になってしまうのか――それは、子ども時代に「失敗して叱られる経験をしていない」「叱られて傷つくことを避けるために無理をしない」といったことが原因です。
『ほめると子どもはダメになる』著者で心理学博士の榎本博明氏は、そんな子どもたちが成長し、「挑戦しない・頑張れない若者」になっていると指摘しています。
榎本氏によると、頑張れない若者が増えている背景には、「叱るよりほめる」ことに重点を置いた教育法が少なからず影響しているとのこと。その結果、社会に出たときに、上司から仕事上のアドバイスや些細な注意を受けただけで、自分を全否定されたかのように反応してしまうのです。この打たれ弱さや傷つきやすさは、まわりの人たちを困らせるだけでなく、何より本人の生きづらさに直結します。
だからといって、「これからわが子をいっさいほめずに育てる!」なんて無理ですよね。ほめることは決して悪いことではありません。むしろ、ほめ方次第では子どもの能力をうまく伸ばすことができます。注意すべきは、次に詳しく説明する「危険なほめ方」です。
わが子をダメにする「危険なほめ方」3つ
「親のほめ方」が子どもに及ぼす影響はかなり大きいようです。なかでも次のようなほめ方をしていたら要注意。
■他者と比較してほめる
「お友だちの〇〇ちゃんに比べて点数がよかったなんてえらいね!」