「過保護」と「過干渉」の大きな違い。「過保護」に育てると子どもは自立します!
大切なわが子が幸せになるように、楽しく過ごせるように、傷ついたり悲しんだりしないように、親はいつでも心配してしまうものです。しかし、必要以上にかいがいしく世話を焼いたり、親の意見を押しつけたりするようなら、「過干渉」だと言わざるを得ないでしょう。
今回は、子どもの将来にも影響を及ぼす「親の過干渉」の危険性について解説します。「私って過干渉?」と不安な方は、最後の「過干渉チェックリスト」をぜひ参考にしてみてくださいね。
「過干渉」と「過保護」の違いは?
よく混同されがちな「過干渉」と「過保護」ですが、調べてみると大きな違いがあるようです。公認心理師としてメディアなどで活躍する佐藤めぐみ氏の見解をもとに説明します。
過干渉:親の理想や期待を子どもに押しつけること
親の願望を子どもに押しつけたり、子どもの人生をコントロールしたりするのが「過干渉」です。
佐藤氏によると、子ども自身が望んでいないことについて、過干渉な親は自分の価値観を基準にして「やってあげなければ」と思い込んでしまう特徴があるそう。そのため、親は自分が過干渉なことに気づきにくいとのこと。また、「子どもの失態や過ちが自らの評価に影響する」という不安を抱いている親も多く、子どものためではなく自分のためという思いも潜んでいるそうです。
過保護:親が子どもを過剰に保護すること
一方で「過保護」とは、親が子どもを過剰に保護することを指すと、佐藤氏は言います。まわりからは「子どもを甘やかしてる」と指摘されることもあるかもしれません。ですが、「過保護は自立の芽を育て、過干渉は自立の芽を摘む」と精神科医の故・佐々木正美氏が断言しているように、過保護は決して悪いことではありません。むしろ、親が欲求に応えてあげることで、子どもは「自分の願いを叶えてくれた」と満足し、自然と自立への道を進んでいくのです。
過干渉も過保護も、どちらも「子どもに何かをしてあげる」という点では同じです。
しかし佐藤氏は、過干渉な親の心の奥には、「自分が思い描く理想の子どもに育てたい」というコントロール願望が潜んでいると述べます。これこそがまさに、過干渉がもたらす危険性の根源となっているのです。
過干渉な親に育てられた子どもの特徴5つ
佐藤氏は、「干渉しすぎる親のもとで育った子は、のちのち社会に出てからもさまざまな問題を抱える傾向がある」と述べています。