【チェックリストつき】ほめられ中毒から子どもを守る! 自信を育む4つのほめ方
現状において、このような子どもが増えている背景には、どのような原因が潜んでいるのでしょうか。
理由のひとつとして、物心がついたときから周りの大人から過剰にほめられ続けていることが挙げられます。みなさんも本やネットの記事などで、「ほめて子どもを伸ばそう!」「子どもの自己肯定感を高めるためにたくさんほめよう!」といった言説を頻繁に見たり聞いたりしていると思います。
もちろん、ほめることによるメリットは多く、実際に効果を実感した経験もあるでしょう。問題は「ほめる」を通り越して、わが子を過剰におだてたり、わざわざ成功体験を用意してあげたりと、不自然なかたちでの「極端なほめ」が日常化してしまうこと。*1
このような環境で育っていれば、学校でも教師やお友だちから称賛されなくては気がすまない「ほめられ中毒」に陥ってしまうことは、容易に想像できるはずです。
「ほめられ中毒」に陥るメカニズム
「ほめられ中毒」に陥るメカニズムについて、『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)の著者で「否定しない専門家」である林健太郎氏は次のように説明しています。
ほめられることは、ポジティブで強い刺激となり常習性があります。そのため、ほめられると嬉しい→もっとほめられたい→ほめられることを率先してやろう、というパターンが生まれやすいのです。これは、脳内にドーパミンやセロトニンが駆け巡って快感を得るため起こる現象です。
適度ならよい刺激になりますが、快楽中毒になると、家の外でも常にほめてもらわなければ気がすまなくなる危険性もはらんでいるのが難しいところ。つまり、結果的に「ほめられればやるけど、ほめられなければやらない」というマインドが醸成される可能性があるのです。*2
ですが、親としてはポジティブな言葉がけによって子どもを伸ばしてあげたい気持ちもあります。子どもをほめ続けることは、学力を伸ばしたり社会性を育んだりするうえで、どの程度影響を与えているのでしょうか?
過度な「ほめ」は逆効果
教育経済学者の中室牧子氏は、「ほめて自尊心を高めるという主張があるが、科学的には証明されていない。それどころか、大人による子どもの自尊心を高めるような介入は、もともと学力の低い学生にとっては大きな負の効果をもたらすという研究結果がある」と、ほめて伸ばす教育や子育てに懐疑的な見解を示しています。
その研究とは、1980~90年代にかけて、アメリカの学校で子どもの非行防止や学力を伸ばすことを目的に、「とにかくほめる」