【産婦人科医監修】出生前検査とは?妊婦さんの相談体制を整備へ!いつから&受ける前に知っておきたいことを紹介
このような状況はママとパパ、赤ちゃんにとって大きな不利益を生むことから、厚生労働省の専門委員会が出生前検査の適切な在り方について検討を進めてきました。2021年の夏ころには、適切な情報提供と体制の整備を担う運営委員会が発足する予定です。
運営委員会では今後、ホームページによる情報発信や保健所などに設置されている「女性健康支援センター」での相談窓口の整備などが進められます。検査の内容や結果について十分な理解が得られるように中立的な立場からの情報提供を充実させ、専門医療機関や障害福祉関係機関との連携も図られます。
出生前検査を受ける前に知っておくことは?
生まれてくる赤ちゃんの中で、先天的な疾患が見られるのは全体の約3~5%といわれています(※2)。そのうち、出生前検査でわかる疾患はダウン症などごく一部に限られます。検査結果が陽性であっても健康に生まれてくることもあれば、陰性であっても別の疾患を抱えていることもあり、検査結果が完全なものではないということを理解しておきましょう。
非確定的検査ではまれに偽陽性・偽陰性が発生します。
検査結果が陽性であった場合は確定的検査による診断を受ける必要があります。
近年では胎児医療や新生児医療の進展により、これまで治療が難しいといわれていた疾患に対してもさまざまな治療が登場しています。疾患や障害を持つ子どもの育児をサポートする制度やサービスも充実してきています。検査結果が出た後のことを念頭に、どのような選択肢があるかあらかじめ情報を集めておくことも大切です。
出生前検査で陽性になったら?
陽性という判定が出た場合にどう対応をするか決めていたとしても、結果を前にすると不安や迷いが生まれるものです。そのため、まずはママやパパに対する心理的ケアを優先したうえで、産婦人科医や小児科医といった専門家によるカウンセリングが行われます。カウンセリングでは分娩までの経過や出生後の成長、陽性判定の意味や今後の方針・対応などについて説明し、ママやパパのその後の選択を支援します。
非確定的検査で陽性だった場合は、確定診断のための検査が必要です。
胎児の状態を詳しく把握するため、別の検査が提案されることもあります。非確定的検査のみに対応している医療機関では、確定診断を希望する人に対し転院の措置がとられます。
出生前検査はどこで受けられる?
出生前検査のうち、NIPTに関しては日本医学会や日本産科婦人科学会などの団体が認定登録制度を運用しています。