【産婦人科医監修】子育て世代は要チェック、マザーキラー(子宮頸がん)とは?自覚症状はある?子宮頸がん検診の内容と注意点について
子宮頸がんの自覚症状はある?
がんの進み方
ウイルスに持続感染して細胞が変化すると、がんの前段階である異形成(前がん病変)という状態になります。
異形成は軽度異形成・中等度異形成・高度異形成の3つのレベルに分かれ、中等度異形成までは自然治癒する可能性があります。しかし、高度異形成に進むと、子宮頸がんに進展する確率が高くなります(※2)。
自覚症状の種類
子宮頸がんは異形成の段階では自覚症状はほとんどありません。年単位の時間をかけて粘膜の表面にできる上皮内がんになると、不正出血やおりものの異常がみられるようになります。
さらに浸潤(しんじゅん)がんまで進行すると、膀胱や直腸ががんに侵され、尿や便に血が混ざったり、下腹部が痛んだりする症状が出てきます。
初期の自覚症状がない子宮頸がんは検査を受けて見つかるケースがほとんどです。がんの早期発見のためにも、検査を受けることが重要です。
浸潤がん…がん細胞が周囲の組織に入り込むこと
子宮頸がんと診断された場合
子宮頸がんと診断された場合、がんの広がり具合によって4つのステージ(病期)にわけることができます。治療方法としては、ステージや患者それぞれの事情・希望によって変わってくることがほとんどです。各ステージにおける治療法や生存率については以下の通りです。
・ステージ I(I期)
がんの広がり:子宮頸部のみ。他の部位への広がりはない。
5年生存率:90~95%
治療方法:手術
・ステージ II(II期)
がんの広がり:子宮頸部を超えて広がる。骨盤壁や腟の下部3分の1には達していない。
5年生存率:80%前後
治療方法:手術、放射線治療、抗がん剤治療
・ステージ III(III期)
がんの広がり:骨盤壁まで、あるいは腟壁の下部3分の1まで広がる。
5年生存率:60%前後
治療方法:放射線治療、抗がん剤治療
・ステージ IV(IV期)
がんの広がり:小骨盤腔(しょうこつばんくう)を超えて広がる。
または膀胱、直腸(肛門の手前の腸の部分)の粘膜に広がる。
5年生存率:20%前後
治療方法:放射線治療、抗がん剤治療
子宮頸がん検診とは?
子宮頸がん検診の内容
日本では自治体や健康保険組合が実施する健康診断の中で、子宮頸がん検診が行われています。腟から綿棒や先にブラシがついた専用の器具を入れ、子宮の入り口の細胞を採取してがん細胞などがないかを顕微鏡で確認します。