【産婦人科医監修】子育て世代は要チェック、マザーキラー(子宮頸がん)とは?自覚症状はある?子宮頸がん検診の内容と注意点について
日本ではサーバリックスとガーダシルの2種類のワクチンが使われています。サーバリックスはHPV16型と18型、ガーダシルは16型と18型に加えて良性のいぼの原因となる6型と11型の感染を予防する効果があります。それぞれの接種間隔は異なりますが、2種類とも合計3回の接種が行われます。2021年には6,11,18,31,33,45,52,58型に対するワクチンであるシルガード9が承認されました。
HPV16型と18型は子宮頸がん全体の約50~70%の原因とされているため、ワクチンには同等の予防効果が期待されています(※5)。しかし、このふたつの型以外が原因で起こる子宮頸がんもあるため、予防接種をしていたとしても適切な時期に定期的な検査を受けるよう心がけてくださいね。
ワクチンの対象年齢
HPVワクチンは性交前に接種することが望ましく、定期接種の対象となるのは小学校6年~高校1年相当の女子です。対象年齢に近い子どもがいる場合は、接種についてあらかじめ話し合っておきたいですね。
ワクチンのメリットとデメリット
ワクチンを接種すると接種部位の痛みやかゆみ、頭痛や発熱などの症状が現れることがあります。ごくまれに重いアレルギー症状や神経系の症状がみられるケースもあるとの報告もあります。子宮頸がんになるのは1万人に132人、ワクチン接種後に重篤な症状を発症した人は1万人あたり5人とされています(※5)。子宮頸がんのワクチンを接種すると、極めて高い確率でがんを予防できるともいわれています。ワクチン接種のメリットとデメリットをしっかり確認し、疑問がある場合は医師とよく相談しながら接種を検討すると良いでしょう。
マザーキラーに負けない予防対策をしよう
子宮頸がんはマザーキラーと呼ばれるほど、ママにとって身近な病気ともいえます。子どもの成長を見守るためにもママは定期的に子宮頸がん検診を受け、健康に過ごせるよう対策していけると良いですね。感染したとしても免疫がしっかりと働くよう普段から規則正しい生活を心がけ、体調を整えておくことも心がけてみてください。
普段から不正出血や下腹部の痛みなどの症状がある場合は、子宮頸がん検診を待たず必ず産婦人科を受診することも大切ですよ。
また、特に女の子を持つママは、子どものHPV感染予防について情報を集めておいてはいかがでしょうか。2021年には9価ワクチンのシルガード9が承認されました。