【産婦人科医監修】子育て世代は要チェック、マザーキラー(子宮頸がん)とは?自覚症状はある?子宮頸がん検診の内容と注意点について
この検査を細胞診(さいぼうしん)といいます(※4)。
細胞診で異常が認められた場合、さらに詳しく調べるための精密検査が必要です。精密検査ではコルポスコープ(腟拡大鏡:ちつかくだいきょう)を使って子宮頸部の粘膜を観察し、異常があれば組織を採取して悪性の腫瘍かどうかを判断します。
細胞診の検査結果によっては、HPV検査を行うことがあります。HPVというウイルスは高リスク・低リスクに分けられます、このふたつのうち高リスク型HPVが子宮頸がんの原因となるウイルスとされ、HPV検査では高リスク型HPVの有無を確認します。HPVは100種類以上の型が確認されており、HPV検査はがん化するリスクの判断に有効です。
子宮頸がん検診の注意点
子宮頸がん検診を受けるときは生理中は避け、生理が重なった場合は都合のつく別の日に検査を受けることをおすすめします。最終月経や生理周期についてメモしておくと問診がスムーズです。
妊娠中の人や妊娠の可能性がある人は、事前に医師に相談してくださいね。
検査では腟内の細胞を採取するため、一時的に出血することがあります。おりものシートやナプキンを用意しておくと安心です。出血は検査後1〜2日で治ることがほとんどですが、出血が一週間以上続いたり出血の量が増えたりするときは医師の診察を受けることが大切です。
検査を実施する医療機関や自治体によっては、検査の4~5日前からの性交と腟洗浄を控えるよう推奨しています。検査後の対応が気になる場合は医師に確認すると安心ですよ。また、検査では下着を脱ぐため、スカートでの受診がおすすめです。
自治体のクーポンを利用しよう
子宮頸がん検診は、ほとんどの自治体で助成を行っています。
住民票がある自治体に申請して受診券(クーポン)の発行を受けましょう。
受診券があると検査費用の助成を受けることができ、自己負担金が減額されます。受診券の申請時期は自治体により異なるので各窓口で確認してください。
検診の対象となるのは、20歳以上の女性で前年度に子宮頸がん検診を受診していない人です。自己負担金額は実施医療機関により異なりますが、1,000円前後であることが一般的です。生活保護世帯や住民税の非課税世帯は申請により費用が免除されます。
子宮頸がんワクチンとは?
ワクチンの種類と予防効果
子宮頸がんワクチンは子宮頸がんの主な原因とされるHPVへの感染を防ぐもので、一般的にはHPVワクチンと呼ばれます。