出産育児一時金が50万円に引き上げ!いつから?子育て10万円クーポンと併用してもらえる?
2023年度に42万円から50万円へ
2022年(令和4年)12月10日、臨時国会の会期終了後に岸田内閣総理大臣が記者会見を行いました。この中で、岸田内閣が力を注ぐ「子ども真ん中社会」の一環である出産育児一時金の増額について言及し、2023年度から出産育児一時金の支給額を現行の42万円から50万円に引き上げることを表明しています(※1)。
出産育児一時金が増額になる対象者は?
出産育児一時金は、2023年度からの増額が予定されています。2022年(令和4年)1月1日から支給総額が4,000円引き上げられた際には、2021年(令和3年)12月31日以前の出産が対象外となりました。今回の増額についてもいつからの出産が対象になるのか、移行措置があるのかなど、最新情報を確認する必要があるでしょう。
出産育児一時金はもともと、公的医療保険に加入している人やその扶養者が、妊娠4ヶ月(85日)以上で出産したときに支払われる制度です。出産育児一時金の受給は、このふたつを満たすことが条件となっています。
なぜ出産育児一時金が大幅増額?
出産育児一時金とは、病院やクリニックでの出産費用を助成する制度のことです。制度を利用すれば、出産時にかかる多額の入院費用の負担が軽減されます。しかし実際には、出産費用の全国平均が出産育児一時金を上回る状況となっており、その金額も年々上昇しています。こうした背景から出産育児一時金の増額が決定され、少子化対策が強化されることとなりました。
日本の出生率は年々低下しており、少子化に歯止めをかけることは社会の大きな課題です。この問題に対応するため政府は、妊娠前から妊娠・出産、子育て期にわたる切れ目のない支援の充実を図る、さまざまな取り組みを実施しています。
子育て世代に対する経済的支援もこうした対策のひとつです。今回の出産育児一時金の増額をはじめ、2023年1月以降の出産に対し10万円相当の「出産・子育て応援交付金(俗称:子育てクーポン)」を交付する支援策を打ち出しています。
現在の一般的な出産費用は?
出産費用は地域や施設によってばらつきがあるものの、クリニックを含む全施設の出産平均費用は46.7万円となっています(※2)。この費用は増加傾向にあり、年平均で1%程度上昇しています。
経済的な理由で入院できないときは、自治体が出産費用を助成する入院助産の対象になる場合があります。