産後に集中力や記憶力が低下する?マミーブレインとは?
ただ、産後に脳の変化が起こることを突き止めた研究では、脳の変化は妊娠中からみられ、産後2年間続いたケースが報告されています。とはいえママが子育てに集中しているあいだは、物忘れが多くなっても心配しすぎず、おおらかに受け止めて良いのかもしれませんね。
産後うつの可能性も
気をつけたいのは、マミーブレインの状態に病気が隠れている場合です。記憶力や集中力の低下は、産後うつにもみられる症状のためです。
不安感や心配する気持ちが強い、赤ちゃんに対してネガティブな感情を抱く、自分を責めてしまう、意欲がなく物事をおもしろいと思えないなどが2週間以上続いている場合は、産婦人科や婦人科、自治体の窓口などで相談してみましょう。
表面上は家事や育児ができていても、心が疲れている場合もあります。決して無理をせず、少しでも気になることがある場合は早めに受診することが大切です。
マミーブレインを前向きにとらえよう
マミーブレインは病気ではないとはいえ、自分の小さな失敗にあきれてしまったり嫌気がさしたりすることもあるでしょう。しかし、裏を返せばマミーブレインはママとしての専門性が高まった証拠でもあるのです。
最近の研究に先立ってアメリカのジャーナリストであるキャサリン・エリソンは、2005年にアメリカで刊行した著書「The Mommy Brain」のなかで「子どもを育てることは母親をより賢くする」と伝えています。また、脳の一部が縮小する一方で、意思決定や感情制御をつかさどる分野は大きくなっているという報告もあります。
子どもを安全に健康的な状態で保護すること、家事や仕事をこなしながら子どもと向き合う時間を確保することは、複数のタスクを同時にこなす複雑なプロセスを踏みます。記憶力や集中力が低下したと感じても、心配したり自分を責めたりする必要はないといえるでしょう。
マミーブレインだと感じたら無理をせず、家事を外部に委託したり家族に頼ったりしながら心身ともにゆっくり休む時間をつくってくださいね。
※この記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています。
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